体のメンテナンスは、女性にとって大きな経済的負担

ーー今回の食事支援において(生活困窮者を除き)「女子学生に絞った」理由は?

「慶應義塾大学では女子学生の割合はおよそ36%とのことで、この中でも、さらに関東地区以外出身の女子学生は少ないため、進学先の1つとして考えてもらえるように支援の検討をされておりました。特に、都心での一人暮らしは、防犯や安全性の観点から女子学生の方が、男子学生より住居費等がかかるということが考慮されていると伺っております」

「また、今回の支援の対象とした新入生は、慣れない学生生活に加え、初めての一人暮らし、かつ頼れる家族も近くにいない中、特に女性においては、心理的負担が大きく、ホルモンバランスの乱れにつながり、体や心のバランスが崩れてしまうことがあります。さらに、体のメンテナンスは、女性にとって大きな経済的負担にもなり得ます。このような背景を受け、慶應義塾大学では以前から『女性のからだ支援〜Breeze プロジェクト〜』を立ち上げ、生理用品の無償配布などの取り組みを行われていました」

「そして今回、さらに生活に欠かせない『食事』での支援を追加することで、より学生や保護者の心理的・経済的不安を軽減したいと考えられていた中で、弊社といたしましても、慶應義塾大学の支援活動の中で、何かご協力できないかと検討した結果、今回の支援に至りました」(以上、ワタミ株式会社ブランド広報室)

食事支援についてのプレスリリース(大学HPより)
食事支援についてのプレスリリース(大学HPより)
【画像】批判が殺到した「女性優遇」食事支援の内容

 食事支援のいちばんの目的は(女子)学生の増。

生活困窮者への支援は女子学生へのものと比べ、非常に少ないものとなっているが、この量の差はどのような理由によるものか?」という点も問い合わせたが、それについての回答はなかった(上記回答が“それも込み”の回答)。

 現在、今回の食事支援について批判の声が上がっていることに対しては、

多くのご意見があることに関して真摯に受け止めております」(ワタミ株式会社ブランド広報室)

 とのことだった。

「食事支援の男女差」「女子学生と生活困窮者への支援の差」「批判の声について」。以上ワタミに対しての質問と同じものを慶應義塾広報室に問い合わせたが、回答は得られなかった。

 学生への食事支援は本来であれば称賛されるべき施策のはず。しかし、今回はあまりに“不平等”支援であったため批判を呼ぶ結果に。本施策によって、はたして慶應大学に女子学生は増えるのだろうか……。