目次
Page 1
ー 女性の単身旅行者は売春を疑われる
Page 2
ー 500万円稼げるそんなもくろみが
Page 3
ー 女性の扱いは劣悪
Page 4
ー 価格破壊の原因は一般女性の“参入”

 コロナ禍で困窮している女性たちを取材していたころ、ふとしたきっかけで年上の男性から貢いでもらう「パパ活」に手を染めた普通の女性たちのケースに数多く出合った。さらに仕事が激減したセクシー女優をはじめ、夜職の女性たちの一部が海外出稼ぎ、つまり売春行為を行っているという事実にも驚かされた。

女性の単身旅行者は売春を疑われる

 組織ぐるみで行われていたその実態を知るうちに、コロナ禍が収束しても海外出稼ぎの流れが続いているのではという危惧を感じたものだ。それを裏づけるように今年の4月2日、日本人の30代女性と20代女性にアメリカでの売春を斡旋したとして、日本人男性4人が逮捕された。

 男性らが海外出稼ぎの求人情報をサイトに掲載すると、それを見た女性がブローカー である男性らに連絡。男性らは海外の売春組織に女性を紹介し、紹介料を受け取り、海外の売春組織が女性に報酬を支払うという流れだった。

 海外で売春する女性と自分は関係ない、と油断してはいけない。女性の単身旅行者はアメリカをはじめとした空港で売春を疑われ、取り締まりが強化されているのだ。

 実際に海外売春をした女性とその知人女性の生々しいLINEのやりとりから海外出稼ぎの実態と共に、一般の女性がこの騒動に巻き込まれない方法をお伝えしたい。

「コロナ禍の2021年の夏、私が女子大生のころに夜職で一緒に働いていたミホちゃん(仮名・当時30歳)から、海外出稼ぎでロスへ行くと連絡があったんです。海外は危ないと止めたのですが、すでにロスへ渡る3日前のことでした」

 そう語るのはWEBクリエイターの里美さん(仮名)。里美さんのセクキャババイトの同僚だったミホさんは風俗店を転々とし、単体(※)のセクシー女優になった。ところがコロナ禍で撮影やイベントの仕事が次々と中止になり、困窮していたという。

(※)セクシー女優の中でも外見や知名度、人気などでヒット作品を見込める女優のこと

「ミホちゃんは実家にいる病気の母親に仕送りをしたり、ホストに貢ぐためにお金が必要でした。コロナ禍で困窮したミホちゃんに、ホストが知り合いの風俗店のボーイを紹介。そのボーイから海外出稼ぎを斡旋するサイトを紹介されたと言っていました。Xで大々的に募集をしていて、『剛』という性別不明の換金係から指示があったそうです。その上に中国人のボスが君臨しているという組織でした」(里美さん、以下同)