目次
Page 1
ー 数々の日本女性初となる道を切り開いた
Page 2
ー 政界に進出し、クールビズを広める
Page 3
ー 東京都知事になり、数多くの政策を実現

 

「いろいろな競争があるけれど、女性の領域とされる分野や、競争が激しそうな分野ではなく、自分が興味を持て、将来性のある世界を目指したいと思いました。そのほうが挑戦しがいがある。満員電車に乗っていくよりも、すいている逆の方向に自信を持って行けばいいんだ、と思ってやってきました

 そう語るのは、小池百合子東京都知事。女性として初めて都知事となり、間もなく2期目の任期満了を迎える。

数々の日本女性初となる道を切り開いた

「日本女性初」は彼女の半生そのものだ。日本女性初の経済ニュースキャスターに、日本女性初の自民党総裁選出馬、日本女性初の防衛大臣と、新たな道を切り開いてきた。

 女性初であること、それは自身にとってどんな意味を持つのだろう。

「女性であることは紛れもない事実ですから。女性だからどうとか、何をするとか、あまりそこに思いが強いわけではありません。人生は一回なので、やりたいことをやろうと。とても自由にこれまで走ってきたということですね」

 1952年、兵庫県生まれ。父はベンチャー精神にあふれ、事業を興し、世界を視野に入れよと彼女に説いた。

 母は当時としては珍しく女性の自立を信条とし、60歳でエジプトのカイロに日本食レストランをオープンしている。

 多勢に流されることを良しとせず、オンリーワンであれと促す。両親の姿勢を礎に、自身の可能性を模索していく。「客観的に自分自身を見つめることを子どものころからしてきました」

 幼いころは、2歳上の兄が遊び相手。当時をこう振り返る。「お兄ちゃんとチャンバラごっこをしたり、野球をしたり、男の子っぽい遊びが多かったですね。一方で、バービー人形が大好きでね。今も大事に持っています(笑)」

 中学から私立の甲南女子中学・高校で学び、関西学院大学に進学。大学を半年で中退し、エジプトへ渡り、カイロ大学に入学。

 大学卒業後に帰国し、『竹村健一の世相講談』(日本テレビ系)のアシスタントキャスターを務め、1988年にテレビ東京系『ワールドビジネスサテライト』の初代メインキャスターに抜擢される。