渋谷区立中学校への設置を皮切りに、現在535の施設に生理用品を設置したレッドボックスでは、どんな生理用品が人気かなど、設置校からのヒアリングを行っているという。

生理用品には誰でもアクセスできることが大事

スポーツタイプのものや、羽根つきで夜用の大きいもののニーズが大きい。学生の経血量が多い時期は、長時間カバーできるように夜用が安心です。私も陸上や空手などのスポーツをしていたのでわかるのですが、ユニフォームを汚してしまわないかなど、女性の競技者は心配が多い。そのせいで十全のパフォーマンスができないなどということがないようサポートしたい

 そのときの在庫や仕入れにもよるが、学生それぞれが自分に合ったものを選べるようにいろいろな種類を入れているそう。また、設置場所は、

設置先はさまざまです。基本的にはトイレの個室ですが、トイレの入り口だったり、保健室だったりと、設置先の学校の運営方針にお任せしています。学校なので、生理用品の受け渡しの際、身体についてヒアリングしたいという希望もある。そういった場合は保健室で受け渡しを行います。でも、いちばん利用されているのは個室に設置したものです

 「お客様~」の河野さんも、生理用品の配布はデリケートな問題だと語る。

「京都市内の一部小中学校で生理用品の無料配布の試みがされましたが、配布は保健室を通じてとのこと。保健室に行くこと自体のハードルもあるし、保健室利用者には男子生徒もいる。受け渡しの際に相談してほしいという学校側の要請もわかりますが、生理用品の配布と先生への相談という2つのステップを組み合わせる必要はないのではないでしょうか。生理用品には誰でもアクセスできることが大事だと思います」(河野さん)

 イギリスでは、2020年から公立の学校で生理用品の無料配布が開始されたため、レッドボックスの活動も終了したとのこと。

私たちの活動のゴールもイギリスと同じ。いずれは国から予算が出て、生理用品の無償化が実現することが目標です。そのためにも生理の貧困が一時的なブームで終わらないでほしい」(尾熊さん)