“手抜き”なしでは介護は続かない
やすこさんは、2013年に父親を81歳で、その3年後に母親を76歳で見送るまで、在宅介護を続けた。
「介護はやはりたいへん。心の余裕がないと続きません。そのためには利用できることは利用して“手抜き”をしないと! くれぐれも一人で抱えようとしてはダメ。今、思い返しても、両親とは最期まで、お互いに『ありがとう』という気持ちでいられたと思える。それも、手抜きをできたおかげだと思うのです」
やすこさんも両親の介護を経て、自分の老いについて思うところがあるという。
「この先、子どもたちにとって私自身の介護が負担になったら、無理せずに施設に入れてもらいたいと思ったりもします。どこで介護されるにしても、子どもたちも、おじいちゃん、おばあちゃんの介護を身近に経験していますから、私にも優しくしてくれるんじゃないかな?」
63歳となった今、「これからは友人や家族との旅行をもっと楽しみたいし、お芝居もしていきたい」と、パワーあふれるやすこさん。
「お声をかけていただいたらすぐ出演ができるよう、お肌のお手入れも万全です! なんたって女優ですから(笑)」
はる・やすこ 1961年、大阪府生まれ。'76年、漫才コンビ「春やすこ・けいこ」でデビューし、“漫才界のピンク・レディー”と話題に。現在は女優、タレントとしてテレビ・ラジオに出演。両親の介護経験をもとに講演活動も行っている。