退院後はデーブさんからの思わぬサプライズに爆笑

 手術は10月初旬に行われた。前日から入院し、手術からわずか4日で退院した。

「本当は1週間程度、入院する予定でしたが、点検のため自宅マンションのエレベーターが運転停止になる前に家に帰らないと、階段をたくさん上る羽目になるとわかって。術後の私にはキツイと思い、先生に相談して通院の約束をしたうえで、早めに退院させてもらいました」

 ブラジャーやパジャマなどの衣類は、すべて前開きタイプに変更。術後しばらくは、衣服の脱ぎ着に苦労した。

「幸いにも手術あとの痛みはあまりなくて。ただ、胸に巻いていた包帯がとれてからも、腕が上がりづらくなり、身体がスムーズに動かせませんでした。手に力が入らず、ブラジャーのフロントホックを留めたり、外すのにも手間どってしまったり。腕を動かすたびに胸元のひきつれ感がありましたが、それ以外は問題なく、自宅でゆっくり過ごせました」

 退院した当日、デーブさんと共に自宅に帰り、お見舞いで届いたお花やレターを見ていたところ、思わぬサプライズが待っていた─。

「デーブが隣の部屋に行ったと思ったら、ドクターの衣装を着て現れたんです(笑)。『何それ!』って言って大笑いしちゃいました。どこで見つけたのか聞いたら、『入院中にアマゾンで買ったんだよ』と笑っていました」

退院して自宅に戻ると、ドクターのコスプレをして現れたデーブさん。「笑いが止まりませんでした」
退院して自宅に戻ると、ドクターのコスプレをして現れたデーブさん。「笑いが止まりませんでした」

 デーブさんらしいユーモアたっぷりの退院祝いに、自然と笑顔になった京子さん。ドクターの衣装には、こんな意味が込められていた。

「『病院では先生が治療してくれるけど、家では僕があなたの病気を治すからね』と言ってくれて、彼の優しさを感じました。デーブは、通院にいつも付き添ってくれます。でも、病院って患者さんがいっぱいいらっしゃるじゃないですか。待ち時間も長いし、デーブと一緒だと目立つので、『来なくていいですよ!』と、毎回言ってるんですけどね(笑)」

 会社経営や執筆業のほか、各国の在日大使たちとも交流が深く、多忙を極める京子さん。退院後は、早々に仕事にも復帰した。

「手術と入院、自宅療養で、仕事をお休みしたのは1週間だけ。翌週の月曜からは、いつもどおり出社しました。私の場合は早期発見で、手術だけで済んだというのも大きかったのかも」

 抗がん剤や放射線治療などはなく、現在はホルモンの働きを抑える薬を内服し、定期的に通院している。

「ホルモン阻害薬は、5年間飲み続けることになっています。先生からは、手のしびれなどがあるかもと言われました。飲み始めて髪が細くなり、ボリュームが少し減ってきたような気がしていますが、今のところ大きな副作用はありません」

 目下の悩み事は、術後のブラジャー問題だ。

「いわゆる『乳がん用ブラジャー』を使っているのですが、胸がなくなって自分に合うブラジャーを見つけるのって大変なんだと思いました。ネットで見つけていいなと思って買っても、つけてみるとなんとなく違和感があって。特にパーティーでは、しばらく動いているとブラジャーが上にあがってくるんです。こっそり手で下にずらしたりして(笑)。しっくりくるブラジャーを探しているところ」