シングルシニア女性のリアルボイス
「生活に余裕なく、生きるのが不安」
「70歳を過ぎてがんが見つかり、今は仕事を辞めて療養しています。自宅で介護サービスを受けながら、孤独にこれからの人生のことを考える日々。今後治療費や介護費が尽きてしまったら、この家で一人這ってでも生きるのか……。正直不安ばかりの毎日です」(70代、A・Kさん 無職)
「ケガをして働けなくなったとき、生活保護の相談に行きましたが、話を聞いてもらえず、『ケガが治るまででも』と言ったら、『キャッシュカードで借金をして、治ったら返済すれば』と言われて驚いた。せめて話を聞いて、窓口や制度について教えてほしかった」(60代、M・Dさん 非正規職員)
「夫からのDV被害に長年悩み、離婚しました。生活保護をもらいながら母子家庭をなんとか卒業。50歳を過ぎたら一人で生計を立てられるようにしたいと思っていたのですが、なかなか雇ってくれる働き口が見つからず、保護生活から抜け出すことができません」(70代、О・Yさん 無職)
「うつ病で働けなかったころに借金をしてしまい、今は給料を各種支払いと返済に充てると手元にお金が残らない。手術をした右手に再発の兆候があるが、病院に行くお金がない。炊き出しに並びたいが電車賃がない。国費で全国におとな食堂をつくってほしい」(50代、Y・Sさん 非正規職員)
教えてくれたのは、大矢さよ子さん
1950年生まれ。中高年シングル女性の自助グループ「わくわくシニアシングルズ」代表。編著書に『シニアシングルズ 女たちの知恵と縁』(大月書店)がある。