おふくろの味

L「おふくろの味って、特に意識したことないけど、あえて言うなら手羽元ですかね。BE:FIRSTになって初めて実家に帰ったときも、『何食べたい?』って聞かれて、『手羽元』って即答しました。甘辛く煮てあって、うまいんです」

「僕は手作りじゃないんだけど、マ・マーのパスタソースかな。こないだコンビニで見かけて、久々に食ったらうまくて。俺のおふくろの味、コンビニで買えるなって」

L「缶詰とかのミートソースですか?」

「うん。子ども時代に毎晩、パスタソースを温めて、妹と二人で食べてたの。母親が、僕の家庭教師代を稼ぐために夜までスーパーのパートをしてたから。ある晩、僕がパスタソースを鍋ごとひっくり返して妹と泣いてたら、帰ってきた母親が、叱るどころか僕らを抱きしめてオイオイ泣いてね」

L「お母さんが……」

「母は我慢強い人なので、文句ひとつ言わなかったけど、疲れていたし、寂しかったんだと思う。今、母はあまり体調がよくないんだけど、久しぶりに食べたパスタソースがおいしかったのは、そんな思い出ごと味わえたからかもしれない」

L「うちの家族は、燃え殻さんちと反対で、意見をぶつけ合うっていうか、いつも討論しまくってます」

「熱いね!(笑)」

L「もう、煮えたぎってますよ(笑)。例えば、テレビで事件や政治のニュースをやってると、どうしたらいいか、家族でメチャ意見を言い合うんです。うちの食卓で討論しても、世界は何も変わらないのに。そんな家族なので、以前、実家に遊びに来た(メンバーの)SOTAやMANATOにも、『LEO君がたくさんいる』って言われました(苦笑)」

「アハハハハ」

L「俺が自分の意見を言うように育ったのは、間違いなく、両親の影響ですね」

「僕もそうだけど、LEO君の歌の世界も『正解がない商売』だから、自分の正解を言い張るしかないところがあって。LEO君はブレずに自分の正解を持ってるけど、それだけじゃなくて、このとおり、礼儀正しくて、まっすぐな人だから、周りからも愛されてる。4月から始まったワールドツアーも、ファンの人たちだけじゃなく、僕らが行きつけの飲み屋のマスターやママさんまで、『まずはロンドン!』とかってチケットを買って、もう親戚みたいに楽しみにしてる」

L「ありがたいです」

「LEO君は、自分が正解と思うことに、『それ、正解だよ』って言ってくれる人を増やしていくんです。そういうところ、僕はLEO君から教えられた気がします」

L「親からはまだまだ子ども扱いされてますけどね。この間もワールドツアーの前に、顔でも見せとくかって実家に帰ったんです。親にちょっと近況を話したら、説教が始まって大ゲンカ」

「ワールドツアーと親子ゲンカが同じ土俵に乗るところがLEO君らしい(笑)」

L「父親の説教が終わったら、次は母親ですよ。感謝の気持ちを忘れるなって、わかってることをくどくどと。もう予定を切り上げて、さっさと帰ってきました」

「親の愛だね」

L「まあ、そうですね。ツアーが終わったら、また顔を出そうと思ってます」

取材・文/中山み登り ヘア/大城祐樹 メイク/マキノナツホ スタイリスト/安本侑史 撮影協力/焼鶏あきら 中目黒本店 (東京都目黒区中目黒1丁目10–23リバーサイドテラス106 TEL:03–3793–0051)