佐藤容疑者は約3年前にプロデビュー。アルバイトをしながら競技に取り組んでいたとみられる。階級は体重57.5キログラム以下のフェザー級でリングネームは『蓮真(れんま)』だった。
「彼女はいるの?」と尋ねたら…
佐藤容疑者を知る格闘技関係者は言う。
「キックボクシングは、まだまだマイナーなスポーツです。かつての那須川天心選手や武尊選手らトップ中のトップ選手だけがファイトマネーやスポンサーの支援で競技に専念でき、たとえ有力選手でも、ほかに仕事を持っているのが当たり前。いわば趣味の延長で取り組んでいるんです。
リングネームは所属ジムの師匠につけてもらったりしますが、佐藤容疑者は自ら提案して『蓮真』と決めたそうです。実力は普通の選手。運動神経はよかったといいます」
小学3年生のころ、所属ジムのキッズクラスに入門したのがきっかけという。中学では陸上の四種競技に取り組み、再びジムに戻ってきたのは高校を卒業したころだった。
「所属ジムでは先輩が後輩を教える慣例があるそうで、佐藤容疑者は教え方が優しく丁寧だったそうです」(佐藤容疑者を知る格闘技関係者)

キックボクシング一本で生計を立てたかったのか、水面下ではプロとしての環境整備にも乗り出していた。
別の知人男性が振り返る。
「昨年11月から12月ごろ、知人を介して“スポンサーになってもらえませんか”と打診があり、焼き鳥店で佐藤容疑者と会いました。礼儀正しく笑顔が素敵で感じのいい青年です。“僕は地元で頑張りたいんです”と話していました。彼はほとんど飲まず、集まったスポンサー候補たちに料理を取り分けてくれたのを覚えています。
試合用のパンツに会社名を入れてほしいらしく、広告料金を尋ねると“いくらでもいいんです”と言うんですが、それだと逆に出しにくいから料金表や目安を示してほしいとお願いしました」
佐藤容疑者の気配りもあって酒席は盛り上がり、出席者から「シャドー(ボクシング)を見せてよ」と、むちゃぶりが飛び出した。
「店内では“いやぁ~”と遠慮していましたが、店を出たあとで“構え”だけは見せてくれたんです。威圧感がありましたね。彼女はいるの? と尋ねたら“いやあ、全然ですね”と言っていました」(知人男性)
自作リングネームにスポンサー探し。実力や年齢を踏まえると、背伸びしている感じがしなくもない。