状態に応じて化学療法、ホルモン療法、放射線療法などがある。唐澤先生は、「自己判断で受診をやめることはしないで」と注意を呼びかける。再発しないため、あるいはがんにならないためにはどうすればいいのか。
特別何かをしているわけではない
「日本人ががんになるのは普通です。がんに限らず病気にならないためには、健康的な生活をすることが肝心」だという。具体的には、肥満を避ける、アルコールは控えめに、喫煙はしない、適度な運動をするといったことだ。
「大豆、イソフラボン、乳製品の摂取は乳がんの発症リスクをわずかに低下させますが、取り立てて大量に摂取する必要はありません。私も特別何かをしているわけではなく、バランスの良い食事を心がけています」
現在、唐澤先生は飲み薬のホルモン療法を1日1回内服で行いながら、これまでと変わらず普通に仕事を続けているそう。病気に対する正しい知識を持ち、健康的な生活を送るよう意識すれば、乳がんに限らず心身を守ることができそうだ。
糖尿病の人は要注意! 乳がんリスク上昇の可能性
糖尿病の人は、糖尿病ではない人と比べ、約1.2~1.3倍の乳がん発症率とされている。糖尿病の人の乳がん発症リスクが高いことはほぼ確実なので、ジュース類や菓子パン、ファストフードなど糖質の高い食品の、過度な摂取は控えよう
取材・文/江頭紀子
唐澤久美子先生 河北総合病院放射線腫瘍科 部長。放射線治療専門医、がん治療認定医、乳癌学会乳腺専門医、食道学会終身認定医。専門分野は、がん放射線療法、粒子線治療(特に乳がんなど)。