お茶碗1杯が「39円」から「49円」に改善された、JA全農山形が打ち出した新聞全面広告(SNSより)
お茶碗1杯が「39円」から「49円」に改善された、JA全農山形が打ち出した新聞全面広告(SNSより)
【写真】JA全農山形による全面広告、しれっと「お茶碗1杯」に価格を値上げして

「セブンイレブンで販売されている『たまご蒸しパン』は税込み108円ですし、ファミリーマートの『メロンパン』は税込み138円と、コンビニでは菓子パンは高くても200円前後。スーパーではさらに安価なものも販売しています。カップ麺もAmazonで販売されている『ごつ盛り』は、安いときだと12個入りで1400円ほど。1個換算120円も満たしていません。他の主食と比べることで分かりやすく、広告としては間違っていない戦略だと思いますが、比較対象が曖昧だと消費者からすれば腑に落ちないでしょう」

備蓄米の大半をJA全農が落札している

 価格に関する声だけでなく、

《買い占めたお前が言うな》
《こんなくだらない広告打つぐらいならその金を流通に回せ》

 など、もはや蜂の巣状態の突つかれ方。

農林水産省が今年の3月放出した備蓄米は21万トンで、日本人が食べる2週間分に相当するとされています。その大半をJA全農が落札しています。このような広告をド派手に打つ前に、もっとやることがあるんじゃないの?と反感を買っても仕方がない」

 一昨年から《適正価格にご理解を。食べて笑顔! 作って笑顔!》という、消費者理解を促すようなキャッチフレーズを掲げているJA全農山形。今回の広告でも、最下段には

《未来につなげる持続可能な価格を、皆さんも一緒に考えてもらえませんか?》

 という文字が。

 本当に今の価格が適正なのかを見極め、消費者に甘え切る現状を打破しない限り、国民の笑顔は遠のいていくばかりだ。