画期的な若手とコラボをしたい
プライベートでは、'23年に初孫が誕生した。現在はカンボジアで暮らしているため、直接会うのは年に1、2度だ。
「でも離れているからといって、寂しさは感じないです。今の時代、ビデオ通話を使えば、顔を見てコミュニケーションができますから。僕が沖縄から東京に出てきた40年前は、電話をするのも大変でした。300円で3分もしゃべれないんですよ。そのころを知っているから、今はいい時代です」
60歳という節目の年齢を越え、さらに家族も増えたいっこく堂。今後、腹話術師として、どんな挑戦をしていくのか。
「みんながもっと腹話術に関心を持ってくれたらうれしいですね。僕が始めた30年前は、腹話術ってバカにされる芸だったんです。それをなんとか、今の状態まで持ってきましたが、それでもまだまだと感じます」
しかし、数年前から神戸市の腹話術師が主催する「F―1腹話術グランプリ」が開催されるなど、アマチュア腹話術師たちが動き出している様子もうかがえる。
「何か画期的なネタが生まれて発信されれば、どこにいても、きっと注目されるはずです。僕自身、何もないところから出てきました。
若手ですごい腹話術師が出てきたら、ぜひコラボしたいですね。もしいなければ、僕がまた新しいことを考えて、頑張ります(笑)」
<取材・文/中村未来>