迎える32歳!課題は丁寧さ

 エイタンのように、一目で心奪われた経験について尋ねると、

「ありますね。すごく単純なほうなので、映画を見たらすぐ感化されちゃうとか(笑)。子どものころは『スパイダーマン』を見たら、クモを捕まえて手にのせ“噛まれて、手から糸が出るようにならないかな〜”とか(笑)。わりと影響を受けやすいタイプなので、そういう意味での一目惚れは結構ありますね。映画の世界観だったり、カメラだったり。自分の好きなものに対しては、起こりがちですね」

 物ではなく、人の場合だったら? 素敵だと感じた見知らぬ人に声をかけられる?

「たぶん、できないと思う。こういう職業柄、スタジオですれ違った人には挨拶するし、一歩踏み込んで話してみたりすることはあるけど、それとはまたちょっと別ですよね。そういう意味では、ちょっと奥手なのかもしれないですね(笑)」

 公演は全国5か所で。岡山公演千秋楽の8月10日は、誕生日だ。

「もう32歳か〜。30歳になったら早いなって感じがしています。なんか、20代のほうが無駄にできる時間があった気がする(笑)。これからはどれだけ1個1個、ちゃんと丁寧にやっていけるかが課題ですね、どんな仕事においても。丁寧で、だけど余裕がある人になりたいなと思いますね。でもたぶん、公演中だからあわあわしてるでしょうけど(笑)」

差し入れリスト、あります!

 カンパニーをどう引っ張っていくか意気込みを聞くと、

「いやいや。引っ張るなんておこがましいですよ。共演者の方々はもちろん、スタッフさんを含め、みんなと同じラインに立って“よーいドン”でやっていくほうが好きなので」

 では、みんなのハートをつかむ必殺の差し入れなどは?

「そういうのはありますね(笑)。洋菓子が続いたなと思ったら、しょっぱいものや和菓子などを。お弁当はどうしても、肉や揚げ物が多くなっちゃうので、男はあまり選ばなそうな彩り豊かな可愛らしいものとか。今までの差し入れの知識を蓄えたリストは、一応あります。すぐメモするんですよ。“うわ、これよかったな。使お!”みたいな(笑)」

『みんな鳥になって』出演/中島裕翔、岡本健一、岡本玲、麻実れいほか6/28〜7/21(東京/世田谷パブリックシアター)。その後、兵庫、愛知、岡山、福岡(撮影/山崎伸康)
『みんな鳥になって』出演/中島裕翔、岡本健一、岡本玲、麻実れいほか6/28〜7/21(東京/世田谷パブリックシアター)。その後、兵庫、愛知、岡山、福岡(撮影/山崎伸康)
【写真】中島裕翔出演の『みんな鳥になって』ビジュアルポスター

<取材・文/池谷百合子> 

ヘアメイク/FUJIU JIMI、スタイリング/小松嘉章