初舞台から50周年を迎えて

 物語は、綾子の死の間際から始まる。現れた天使が、天国と地獄のどちらに行くかを審判するため、その奔放な人生を振り返る。昨年、初舞台から50周年を迎えた大地に“この瞬間をはずしては語れない”という人生のターニングポイントを聞くと、

「それは宝塚に入学したこともそうですし、トップになったとき、退団したとき、(『風と共に去りぬ』の)スカーレット・オハラや(『マイ・フェア・レディ』の)イライザをやれたとき……どの作品もわが子のようで。

 今まで3900回以上主役をやらせていただいていますが、その時々の思い出があるので“これ”とは選べないですね

 さらにこう続けた。

父の死や母の死は、自分にまた考える機会が与えられたと感じましたし。舞台『クレオパトラ』('97)では声が出なくなって休演というか、休館になってしまったこともありましたし。やっぱり一つひとつが、いいことも悪いことも、私に与えられたターニングポイントなんだと思います」