「悪口を言わない長嶋さんが一度だけ、人を悪く言っているのを聞きました。それはヤクルトに所属していた一茂さんについて“野村は一茂をうまく使ってくれない”と、当時の監督だった野村克也さんへの発言でした。六本木のスタジオで取材をしたとき、そこからテレビ朝日の社屋が見えると“三奈が勤めているテレビ局がアレですね”と、家族のことは気にかけていたようです。ただ“自分はみんなの長嶋”という意識があったようで、父としての顔はまた別、という感じでした」

 そんな一茂と三奈だが、かつて“仲違い”も一部で報じられていたが……。

家族みんなが病室に集まった

長嶋さんが亡くなったあと、一茂さんと三奈さんの2人が弔問に来た王貞治さんらを並んで出迎えていました。晩年、病状が思わしくない中でも人前に出ると多くの人が感動する長嶋さんの姿に兄妹も心を動かされたのかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)

 一茂は6月6日に『モーニングショー』(テレビ朝日系)に生出演。父の病室での様子について、

「きょうだいとも会って、病室にみんな集まったけど、泣いているきょうだいはいなくて、笑い声さえ聞こえて」

 と語り、さらに、

「妹たちと話したのは、きれいな若い看護師さんがいた病院で“パパは幸せだよね、こんなきれいな看護師さんに見送られてさ”って。妹が“きれいな看護師さんが来ると笑うね”って」

 と終始、和やかな雰囲気だったことを明かした。

「長嶋さんは、野球に身を捧げてしまったため“私はまったくダメ親父だった”と話すことも。子どもたちと直接、触れ合うことは少なかったかもしれませんが“不滅の愛”は伝わっていたのだと思います」(前出・スポーツ紙記者)

 最期は、いわゆるひとつの明るい家族に見送られて。