現代の大学受験では、地域格差に加え、経済格差も問題になっている。びーやまさんも「経済的な差は確かにある」としながらも、打開する手立てはあるという。
学歴はただの武器、どう扱うかは自分次第
「東大や早稲田の対策は予備校でしかできないという時代もあったと思いますが、今は違います。情報が無料で取れる時代です。塾より安いオンライン学習サービスも、たくさんあります。経済格差も、情報次第で十分乗り越えられると思うんです」(びーやま)
とはいえ、学歴の必要性を理解したところで、どうしても勉強を頑張れないという声も、時に届く。びーやまさんは「勉強に向いていないことを早めに知ることも重要」と言う。
「僕はこの本で、学歴の重要性と同時に、自分の人生を自分軸で生きてほしいということも伝えています。受験を頑張れなかったから、次に進めないということは絶対にありません。一方で、受験がうまくいった子も、そこがゴールではありません。学歴はただの武器であって、それをどう扱うかは自分にかかっています」(びーやま)
「wakatte.TV」の熱意は、受験生にも届いている。最近では、高校生たちから「『wakatte.TV』に出て、学歴を言うのを目標に頑張っている」と言われることも増えた。また、「wakatte.TV」から勇気をもらい、難関大に合格したという報告も。
「僕らの発信のコアは、頑張る受験生を応援することです。受験生たちのモチベーションになっているとすれば、これ以上うれしいことはないですね」(びーやま)
しかし、近年、大学入試は大きく変わろうとしている。推薦入試やAO入試が増え、学力を測るペーパーテストの割合は減少傾向にあるという。
「受験は、人生の下剋上だと思うんです。ペーパーテストという平等な戦いが、推薦などによって変わってくるのはちょっと嫌だなという気持ちはあります。ただ、今は思いつかないような攻略法も出てくるはず。ペーパーテスト自体はなくならないと思うので、新しい入試に合わせて、対策を練ることが重要かなと思います」(ふーみん)
「受験の変化については、『wakatte.TV』で、最新の情報を提供します。学生たちの生の声もお届けするので、受験を頑張る人たちの励みになれたらうれしいです!」(びーやま)

びーやま 教育痛快バラエティー番組・YouTube「wakatte.TV」のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学などさまざまな経験をしたのち、大学受験の素晴らしさに気づき今に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心をつかんでいる。決めゼリフは学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。
高田ふーみん 教育痛快バラエティー番組・YouTube「wakatte.TV」にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決めゼリフは「Fランやないか」。
取材・文/中村未来