他局の年収事情は…

 では、他局はどうなのだろうか。

「民放1位をひた走る日本テレビですが、社員は貢献度の割に稼ぎが少ないと嘆きます。こういわれる一因は、基本給の低さにあると言われています。ただ、番組が高視聴率だと報奨金など“別封”と呼ばれる臨時の給付金もあります。

 有価証券報告書によれば平均年収は約1300万円ほどで業界内では意外にも中位。また年代別に見ると20代では約700万円と低いですが、そこから跳ね上がり、40代で約1100万円、50代で1500万円ほどと言われています」

 ほかのテレビ局も覗いてみよう。

「テレビ朝日は平均年収1400万円と業界トップクラス。『報道ステーション』などの看板番組を抱え、安定した収益構造が高給を支えています。20代で1000万円を越え、40代で約1300万円、50代で1500万円と、他局を上回る水準です。

 テレビ東京も平均年収1450万円ほど。事業規模は他局の数分の一ながら、大半はアニメ事業の好調さに支えられているという、ある種“いびつ”な高給構造となっています」

 TBSは放送事業のほかに稼いでいる事業がある。

「TBSの平均年収は約1300万円、同局の営業利益の約4割を占めるのが不動産事業です。正直、放送事業よりも“不動産屋”として稼いでいるのが実態です」

 今回のフジ社員のオンラインカジノ事件は、こうした歪んだ高給構造が生んだ典型と言えるのかもしれない。