公務の担い手が減る令和皇室

 公務の準備も含めると負担は相当なものだ。皇室の方々のあまりの多忙ぶりに“公務数を削減すべき”との見方もあるが、簡単ではないという。

「公務は皇室の中から誰かが行けばいいというわけでもありません。天皇陛下が臨席される式典は、その分野で最高のものと位置づけられるなど、お出ましになる皇族によって公務の意味合いも変化します。

 また、皇室の方々がお出ましになる恒例行事の関係者は“例年この方にお越しいただいているから、今年も、来年も”と、既得権益のように捉えている場合がほとんど。やめるものはやめる、追加するものは追加するという英断が必要ですが、簡単にはいきません」(宮内庁関係者)

6月24日のお茶会に愛子さまと出席された佳子さま(宮内庁提供写真)
6月24日のお茶会に愛子さまと出席された佳子さま(宮内庁提供写真)
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 前出の山下さんは、先細る公務の担い手問題について、2つの解決策を提示する。

「皇族数は確かに少なくなっていきます。とはいえ宮家のお三方の女王殿下は皇室の公務ではなく、私的活動に位置づけられるお仕事に積極的に取り組んでおられます。外国公式訪問や、佳子内親王殿下の公務の一部を女王殿下方に担っていただくことも検討する必要があると思います」

 2つ目は「公務の中身の見直し」だという。

「現在、行われている公務をなくすことは難しいと思いますが、中身の見直しは可能です。上皇陛下の在位中も高齢に伴い、式典でのお言葉をなしにしたり、時間の短縮などで負担の軽減を図ってきました。

 今後も公務の数自体は減らすことなく、中身を見直していく必要はありますが、その調整がうまくいけば、時代に合った新しい公務も可能になるかもしれません」

 過酷なスケジュールが続く佳子さま。時には休息を取られることも重要なお務めでは。

山下晋司皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている