『友近サスペンス劇場』の原点とは?

澤井「発掘力がすごいですね、テレビマンより足使って営業しているんじゃないですか(笑)。最近のテレビマンの一部は、ほかの番組に出てたから呼ぼうとか、そういうキャスティングをする人が結構多いです」

友近「苦言というわけではないですが、他のテレビに出演してたから呼ぼうというよりも、自分の体で面白い人見つけてくる方が信頼できますよね。そういう人が増えたら嬉しいなと思います」

澤井「僕が尊敬している『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』を担当している大先輩の作家さんがいるのですが、その人は自分の目でしっかり選んでいる。オーディションも全部自分で見て、アドバイスも的確で、収録本番も芸人さんが出番を待っている舞台下で芸人さんひとりひとりに声をかけておられて。ちゃんと世に送り出そうとしている姿勢が素敵だなと感じます」

澤井直人のインタビューに答える友近 撮影/吉岡竜紀
澤井直人のインタビューに答える友近 撮影/吉岡竜紀
【写真】「プロデュースするのも好き」気ままな活動スタイルを楽しむ友近

友近「“面白い人”って芸能人であるとは限らないですからね。過去にはタクシー運転手さんとか、インスタで見つけたかわいくてオモロイお子ちゃんにも声かけたことあります。一緒に仕事しませんかと依頼して、それが実現するのはある程度、自分で裁量できるからこその醍醐味ですね」

澤井「友近さんは活躍の場が広いイメージです!YouTubeチャンネル『フィルムエストTV(昭和に流行ったサスペンスドラマやワイドショーをはじめとしオマージュを発信しているチャンネル)』とのコラボ作品や、舞台やアドリブコントもやられていますよね。自主制作でしか出来ない企画が多いのも、これまでのお話を聞くと納得です!」

友近「『友近サスペンス劇場』も、私が好きだった『フィルムエストTV』の西井紘輝監督という方に、お声がけして始まった企画なんです」

澤井「2時間サスペンスドラマをパロディ化した『友近サスペンス劇場』はとても面白く拝見させて頂きました。VHS風の映像やBGMなどの細かいディテールにも凝ってますよね!」

友近「小さい時から昭和のサスペンスドラマが好きで、ほかにも1980年代の大映ドラマ(『不良少女と呼ばれて』などメロドラマ路線がヒット)や、五社英雄監督(『吉原炎上』や『肉体の門』などを手掛ける)の作品は、ストーリーに引き込まれてしまうんですよね。

 しょっちゅうセリフも真似していて、犬の散歩してる時に、1時間ずっとセリフを喋っていたり、役になり切ってみたり、口上を繰り返しつぶやいてみたり……。そうした慣習が『フィルムエストTV』の原型になっているんでしょうね」