空振りの招致活動に27億円を費やしていた札幌市
しかし、直近で冬季招致に動いてきた札幌市は、2023年に招致活動を停止している。
「少なくとも2022年まではIOC(国際オリンピック委員会)の中で札幌は2030年大会の大本命でした。しかしJOC山下泰裕前会長が東京大会の談合事件などで『2030年招致は難しい』とIOCに伝えたところバッハ会長が激怒、2023年10月の総会で突然2030年、2034年の同時内定方針を発表、さらに2038年大会の“優先的対話”の相手にスイスを指名し、少なくとも2038年まで札幌は絶望となり、招致活動の停止に至りました。その経緯は読売新聞が報じています」(スポーツジャーナリスト)
札幌市は冬季オリンピック・パラリンピック招致活動のために費やされた費用は、約27億円と発表している。
市の幹部は「街づくりの加速」や「バリアフリー化」など招致活動の成果もあると述べていたそうだが、市民からしたらこのお金は“ムダに消えた”という思いであろう。
札幌市の公式サイトには、招致活動の停止について、こちらのような声明が記載されている。
《札幌市は大会招致に向けて動くための足掛かりを失いました。また、気候変動の影響により、冬季大会の在り方そのものの大きな変化が予想されること、そして少なくとも15年先の札幌市がどのような課題を抱え、その解決に向けたまちづくりに対し、大会の開催がどのような効果を発揮するのか見通せないことから、今回の判断に至ったところです》
気候変動で冬季大会自体どうなるのかわからない、十数年先の札幌の状況もわからない、もっともなことである。そして何より再びムダ覚悟で数十億単位の血税を招致活動に費やすのか? 橋本新会長はどのように説明していくのだろうか。