目を使わない時間で、疲れた脳を休める
「急に視力が落ちたタイプ」の原因はさまざまだが、「コンタクトレンズや眼鏡の度数を変えて見えやすくなるなら、大人になってから近視が進行する『成人進行近視』が考えられます」(松岡先生)
生活習慣や食生活の乱れが目に栄養を届ける血液にも影響し、網膜や視神経の機能が低下。さらにデジタル社会での情報過多による強いストレスで脳機能が低下している可能性も高いという。
「おすすめしたいのは『アイマスク瞑想(めいそう)』。一日15分アイマスクをし、呼吸に意識を向け、何も考えず安静にすることで、視覚情報をシャットアウトし、目と脳の疲労を軽減できます」(平賀さん)
中高年以降は「老眼タイプ」も増えてくる。
「年齢とともに眼球の水晶体が硬くなり、毛様体筋が弱く、ピントが合わせにくくなるのが老眼です」(松岡先生)
ピントの合う距離は40歳で25cmだが年齢とともに遠くなってくる。この距離が40cmを超えると老眼鏡がないと不便を感じるように。
スクワットで筋力アップ血流改善に期待
若々しい水晶体を維持するためには紫外線対策の他に、水晶体を動かす毛様体筋を鍛える必要がある。
「自分の意思で動かすことができない毛様体筋は、直接鍛えるのが難しい。そこでおすすめなのが筋トレ。全身の筋肉のうちもっとも大きい下半身の筋肉を鍛えることで、毛様体筋の筋力を効率よくアップできます。
視力アップと筋トレ効果につながりがあるとは、意外に思うかもしれませんね。中高年にぜひやってもらいたいのが、下半身を満遍なく鍛えることができるスクワットです。1セット30秒からスタートし、浅く曲げるだけでも効果あり。
筋力がついてきたら時間を延ばして、深くしゃがむように。無理のない範囲で行い習慣化することがポイントです」(平賀さん)
ウォーキング、階段を上る、ランニングなどもおすすめ。筋力増強による血行改善で網膜機能が回復する。