まだ寝ている人の多い暗い時間帯。周囲の状況を確認しにくく、避難所などへの移動にも危険が伴う。
「高齢者や乳幼児が家族にいるなど、避難に時間がかかりそうな人は、大雨が予想される場合、前日の明るいうちから避難するのがベストです」
ハンディファンだけを使用すると逆効果になる場合も
“ゲリラ雷雨”と呼ばれるような局地的な大雨は、ピンポイントで発生日時を予測するのは難しい。しかし、雲の様子で危険を察知できることがある。
「積乱雲の発生や接近を知らせる特徴的な雲(頭巾雲、乳房雲、かなとこ雲など)が現れたら、スマホなどでレーダーの情報を確認して雨雲の動きを把握する習慣をつけましょう。特に、雷の音が聞こえたら、すでに積乱雲が近くに迫ってきているサインです。速やかに屋内に避難してください。
多くの人が“雷の音と雷光までの時間が何秒か”で、雷雲がまだ遠くにあると思いがちですが、これは大きな誤解。雷鳴が聞こえたら、いつ落雷してもおかしくない状況です。すぐに建物か自動車の中に避難しましょう」
昨今では夏の暑さがひどくなっている。最高気温が35℃以上の猛暑日が増えており、熱中症による死者が年間1000人超の年も珍しくはない。猛暑も災害と考え、適切な暑さ対策をする必要があると荒木さんは話す。
「地球温暖化の影響で、今後も一層の暑さへの備えが重要になります。特に高齢者は体温調節機能が低下しているため熱中症にかかりやすい。住み慣れた自宅での発生が多いので、ご家族は冷房の使用状況を確認し、遠方であっても電話などで連絡を取り合うことが大切です」
暑かったら我慢をせずに冷房を使い、こまめな水分補給、汗をかいたら塩分補給も忘れずに。我慢すると命が危ないことを肝に銘じたい。
暑さ対策のグッズとして、手で持って送風できるハンディファンがよく使われている。しかし、気温が35℃以上のときに使うのは注意したほうがよいそう。
「特に暑い日には、ハンディファンだけを使用すると、逆効果になる場合もあります。人間の身体は汗が蒸発するときの気化熱で体温を下げようとします。ハンディファンだけだと身体の表面の温度は下がっても体内の温度を下げる効果は低く、体温調節を十分にできない。
気温が35℃以上では送風される空気そのものが熱いため、温風を当て続けると熱中症の危険度が高まります。濡れたハンカチやタオルを首に巻き、気化熱を利用するなど、ハンディファン以外の対策も併用しましょう」