『24時間テレビ』ギャラ問題とマラソンの懸念
日本テレビ本体で起きた事件ではなかったことが幸いだったが、非難されるのは当然のこと。また、毎回のように指摘されるのが、「チャリティー番組なのに出演者にギャラが支払われている」という問題。この件に関して、日本テレビは2000年にBPO(放送倫理・番組向上機構)を通じて、
「『24時間テレビ』に出演して頂いたタレントのギャラについては、基本的にボランティアでお願いしております。しかし、拘束時間の長い方など、場合によっては謝礼という形でいくらかのお支払をしております」
「タレントによっては謝礼を辞退される方もいらっしゃいます」
と回答をしているのだが、いまだに蒸し返されるほど根深い問題であることは間違いない。
そして、これも何かと物議を醸す“チャリティーマラソン”。かつては、途中で車に乗って移動しているのではないか、などと“不正”疑惑が出ることもあったが、最近は企画自体の意義を問う声と、ランナーの健康を憂慮する声が増えている。
近年、夏は35℃を超える“猛暑日”が普通になった。夜間でも、気温はそこまで下がらない。毎日のように熱中症予防が叫ばれている中で、過酷なマラソンを敢行する必要はどこにあるのか、ランナーがかわいそうだ、とチャリティーマラソンに疑問を呈する声は増えた。
以前から、オリンピックや夏の高校野球についても「涼しい時期にした方がいい」という声はたしかに多い。そのほうがアスリートのパフォーマンスが上がり、いい記録が出るに決まっている。しかし、民放でバラエティー番組を担当するディレクターによると、
「チャリティーマラソンはオリンピックや夏の甲子園とは求めていることが違いますから。競技会のように、いい結果を出すことが目的ではありません。過酷な条件の下で、ミッションを達成する。それを見て視聴者は感動するわけですから、簡単に完走してしまっては盛り上がりません。それに、事故なんて起きたら番組は即アウトですから、そこは徹底して気を付けているハズです」