なぜ、「青柳式FA」は受け入れられたのか。先の野球ライターによると、
「有原や上沢は退団時に球団やファンから背中を押され、また彼らも感謝のメッセージを寄せるなど必要以上に“ファイターズ愛”をアピールしていた節があります。
特に上沢は帰国後も、日ハム関連施設でトレーニングを使わせてもらい、元同僚の鍵谷陽平(34)の引退セレモニーにも駆けつけた。ファンは当然、再びファイターズのユニフォームを着るものと期待していました」
阪神から獲得オファーはあったのか
実際、日ハムはNPB復帰の意思を示した2人に獲得オファーを出している。しかし、ともに選んだのはソフトバンクで、有原は3年総額12億円、上沢は4年10億円規模(いずれも推定)とされる大型契約を結んでの移籍だった。
「片や青柳ですが、阪神からのオファーはなかった。2位の巨人に11ゲーム差(7月31日時点)をつける独走状態のタイガースだけに、かつてのエースとはいえども万全の投手陣に入る隙はなく、さらに支配下枠の70人も埋まってしまった。
仮に首位争いをしている、また下位に甘んじていた上で阪神のオファーを断っていたら、“青柳、なんでや!”との声も上がったと思います。が、優勝に向けてチームが万事うまくいっている現状、ファンもやさしくなっていると見えます」(前出・ライター、以下同)
また青柳の“気質”も、批判をさせない一因になっているとも。有原と上沢のソフトバンク移籍が決定後、SNSやネット上では批判を超えた、誹謗中傷ともとれる心無い言葉も向けられた。しかし、それを許さないのが“青柳流”だ。