沖縄県と広島県を訪問された両陛下

 6月4日から5日には、戦争末期に苛烈な地上戦が繰り広げられた沖縄県をご訪問。

「沖縄へは愛子さまもご同行されています。ご一家は大戦中に沖縄での戦闘で亡くなった方々の遺骨を納める『国立沖縄戦没者墓苑』で献花をされたほか、『平和の礎』や『沖縄平和祈念資料館』など沖縄戦に関する施設を視察されました」(前出・皇室担当記者)

 平和祈念資料館では、戦争体験者や戦没者の遺族と懇談された。その際のことを「一人ひとり時間をかけてじっくりとお話しされていたことが印象に残っています」と、同館関係者は振り返る。

両陛下のご意向もあって沖縄への慰問には愛子さまのご同行が実現した(6月5日)
両陛下のご意向もあって沖縄への慰問には愛子さまのご同行が実現した(6月5日)
【写真】原爆養護ホームで腰をかがめて被爆者と懇談された両陛下

「お三方は沖縄戦で犠牲になった住民や、爆撃の写真を熱心にご覧になり、“痛ましいですね”という言葉を口々にしていらっしゃいました。戦争体験者や遺族の方々とのご懇談では、お三方とも、とても熱心に質問をされていて。時間どおりにその場をこなすのではなく、沖縄戦の歴史をしっかり受け止めようとするご姿勢が伝わりました」

 沖縄訪問から約2週間後の6月19日から20日は、おふたりで広島県へ赴かれた。

「広島には、終戦直前の1945年8月6日に原子爆弾が投下され、その年のうちにおよそ14万人が死亡しています。両陛下は広島市内の平和記念公園を訪れ、原爆で死亡した人々の名簿が収められた慰霊碑に花を手向けられたほか、原爆資料館や被爆者たちが暮らす養護ホームを訪問されました」(前出・皇室担当記者)

 原爆資料館では、90代の被爆者3人と、高齢になった被爆者に代わって戦争体験を伝える「伝承者」と懇談された両陛下。伝承者のひとりで、その場に立ち会った大河原さんはこう振り返る。

「私は笠岡貞江さんという方の体験を伝承していて、懇談の場には笠岡さんと一緒に伺いました。笠岡さんの体験談をお話しすると、両陛下は“その後お身体は大丈夫ですか?”と、尋ねられて。両陛下と懇談ができて、笠岡さんは感激していましたし、私自身も“これからも伝え続けなければ”と、決意を新たにすることができました」