外出時は、必ずスマホを持っていってほしいと話す。

普段から手にして使っていないと、いざというとき“持っていかなきゃ”と思えないものです。シニア世代は、どうしても“心配される側”ですが、災害時はみな、自分のことで精いっぱい。そんなとき、シニア世代の方から“無事だよ”と伝えられたら、家族はどんなに安心することでしょうか

スマホが自身の“お守り”に

 “1人で出かけたときに道で倒れたら……”そんな不安を解消するのも、スマホの機能“緊急連絡先の登録”だ。

万が一のときに連絡してほしい人の情報や持病、服用薬などを、あらかじめ登録しておける。外出先で倒れてしまい意識がないとき、救急隊員や医療従事者が、あなたのスマホに登録してある必要な情報を確認することがあります

 スマホに画面ロックをかけていても、緊急連絡先だけはほかの人も見ることができる。

●Android:「緊急情報サービス」アプリ、または【設定】→【安全および緊急情報】から登録

●iPhone:「ヘルスケア」アプリから登録

一度設定しておけばスマホがあなたご自身の“お守り”になりますし、緊急時に速やかに家族へ連絡してもらうことも可能なのです

シニア世代はまじめな方が多いのですが、完璧に操作できなくても大丈夫。“自分のやりたいことが1つできたらよし”と、おおらかに構えて、気になるタレントを検索したり、ランチするお店を探したり。楽しんでスマホを使ってほしいですね

 文字が小さくて見えないなら、スマホで説明書を撮影してその写真を拡大する、物忘れが心配なら許可をとって医師の説明をスマホで録音する、といった活用法もある。

ちょっとした困りごとはスマホで解消できます。日常を楽しく快適に過ごすために、そして家族に迷惑をかけないためにも、今からスマホとの上手な付き合い方を身につけてください。周りのシニア世代の方が“スマホは難しい”と敬遠する場合も、“お守り代わりに持っているだけでも違う”ことを伝え、段階的に慣れてもらいましょう

『世界一簡単! 70歳からのスマホの使いこなし術』(アスコム)

増田由紀著『世界一簡単! 70歳からのスマホの使いこなし術』(アスコム)
【写真】今すぐ保存! 緊急時に備えて用意しておきたいパスワード記録ノート

取材・文/中西美紀

増田由紀さん スマホ活用アドバイザー。「パソコムプラザ」代表。デジタル推進委員。2000年より千葉県浦安市でシニアのためのスマホ・パソコン教室を運営、5年前より完全オンライン教室に移行。これまで1万5000人を超えるシニア世代に、スマホの魅力と使い方を指導