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ー 大事な時期にけがをされたら困る
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ー 左打者オーダーは超効いてると思う

 8月17日、横浜DeNAベイスターズの藤浪晋太郎投手(31)が、3年ぶりにNPB(日本プロ野球機構)一軍のマウンドに立った。

 イースタン・リーグの巨人戦(8月6日)で4回5失点、7四死球の大乱調から修正できたのか、勝敗こそつかずとも、5回を投げて1失点、1四球と結果を残してみせた。

 試合後には、記者らに「(日本独自の応援が)久しぶりの感じがしたので、楽しいと思いながら投げました」と語り、メジャーリーグやマイナーリーグとは雰囲気の違う、日本での試合を楽しめた様子の藤浪。

 しかし笑顔が消えたのは、対戦した中日ドラゴンズのオーダーを問われた時。前日のスタメンに名を連ねた6人の右打者を入れ替え、先発投手の松葉貴大投手(35)を含めた9人を左打者で揃えた、いわば“藤浪対策”打線を組んだのだ。

 阪神タイガース時代より制球難に苦しみ、特に右打者への頭部に抜けるボールが目立った藤浪に対し、2019年のオープン戦でも同様に中日が左打者9人を並べたことで物議を醸した。

大事な時期にけがをされたら困る

 今回の試合前にも、中日の松中信彦打撃統括コーチが「大事な時期にけがをされたら困る」とコメントしたように、やはり6年経っても藤浪への“信用”は変わらないのだろう。この松中コーチの発言を知ってか知らずか、

「勝手に嫌がってくれる分には、好きなだけ嫌がってくださいという感じです。(左打者が並んだことで)球種の使い方が変わるなと思いましたけど、それくらいです」

 自チームの選手を守るための“藤浪対策”に対して、藤浪は「勝手に好きなだけ嫌がれば」と意にも介さない、挑発的ともとれる物言い。“どんな打線だろうと自分の投球をするだけ”との意識なのだろうが、彼の過去を見てきた周囲はそうは思わない。