「隠れて生きていたら教団の幹部にされてしまう」という理由もあり、実名で自分の立場を説明し続けてきた松本さん。
2017年にも渡航拒否された韓国に、今回渡航を試みたのにはこんな理由もあったという。
「今年8月の(国の機関紙である)官報に、公安調査庁が、麻原の次男および麻原の妻を除く麻原の親族はアレフと関係ないと記載したんです。ああ、これでやっと教団から自由になれると、とてもうれしかったですね。
でも……。(韓国へ)行くことは叶いませんでした。
『松本麗華』という私の名前が、国の中でどういう扱いになっているのか。根拠や理由はもちろん、国によってどんな社会的制限をかけられているかを知りたいです」
映画祭での「表現の自由」も奪われた
松本さんの弁護士の見解によると、今回の彼女の韓国への入国拒否は、移動の自由だけでなく、映画祭での表現の自由の侵害にもあたるとして、憲法違反にもつながるという。松本さんはこの状況を改善すべく、今後も情報開示請求や国会議員への働きかけを検討している。
今回、映画祭での当初の登壇はかなわず、音声のみの参加となってしまった松本さんだが、近々渡韓へのセカンドチャンスがある、とも。
「今回の映画が受賞作に選ばれたら、再度ご招待いただけるそうです。そのような機会に恵まれたら嬉しいですね」
松本さんの渡航が叶うことを願うばかりだ。
取材・文/木原みぎわ