佳子さまのニュースタイル

 前出の日置さんは、佳子さまのファッション遍歴についてこう振り返る。

「大学を卒業され、成年皇族として本格的に公務を担われるようになったばかりのころ、佳子さまは今よりもカッチリとしたお洋服をお召しになっていたように思います。“大人としてきちんとした格好を”と意識し、先輩の女性皇族方に倣われていた印象です。

 一昨年ごろからアクセサリーなどで“自分らしさ”を表現するようになり、今は“佳子さまならでは”の優雅な着こなしに変化を遂げています」

ブラジル訪問から帰国された佳子さま。今年はパンツスタイルのお出ましが増えている(6月17日)
ブラジル訪問から帰国された佳子さま。今年はパンツスタイルのお出ましが増えている(6月17日)
【写真】万博訪問で話題になった佳子さまの「全身ショット」

 徐々に確立された“愛されファッション”には「皇族として積まれた研鑽が見える」と日置さんは続ける。

「佳子さまの着こなしは、ただ自分らしさを出すというのではなく、小物や色使いからTPOを意識されていることが伝わります。自分らしさの表現と周囲への気遣いが両立できているのは、皇族としての場数を踏まれたからでしょう。経験を積んだ内親王としての存在感と成長ぶりが着こなしから見て取れます」

 最近はさらに新たな兆しが。

今年はパンツスタイルも多い印象です。ワンピースやスカートを着用される際の佳子さまは、揺れるイヤリングなどかわいらしい小物を合わせることが多いのですが、パンツスタイルのときはスタッド風イヤリングを合わせるなど、よりスタイリッシュに。

 大人の女性として新たな境地へ踏み出されたのだと思います。まだまだフェミニンな佳子さまを見ていたい気もしますが、新しい佳子さまも楽しみです」(前出・日置さん)

“リアルプリンセス”の進化はまだまだ止まらない─。

日置千弓 1986年からパリやミラノで世界のコレクションを取材するファッションジャーナリスト。新聞・雑誌に、エッセイや評論を執筆。著書に『ブランドエナジー』(小学館文庫)など