『8番出口』公式がコメント

 これらの指摘を受け、映画公式SNSは公開から3日経った9月1日に《映画『8番出口』ご鑑賞の皆様へ》という注意文を投稿。《津波など自然災害を想起させるシーンがございます。ご鑑賞にあたりましては、予めご注意いただきますようお願い申し上げます》と呼びかけた。

 自然災害や暴力など、作品内でトラウマを呼び起こす危険性のある描写が含まれる場合、事前に警告をする“トリガーアラート”を出すことが一般的だ。しかし今回、注意喚起が“後だし”になってしまったことについて、

映画『8番出口』初日舞台挨拶に登壇した二宮和也、小松奈々、河内大和、川村元気監督(写真/本誌写真班)
映画『8番出口』初日舞台挨拶に登壇した二宮和也、小松奈々、河内大和、川村元気監督(写真/本誌写真班)
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《初日に出さないとダメだったのでは?経験者が警告なしに見たら無理ですよね》
《津波の描写、現代日本においてはセンシティブすぎる題材なのになんの注意もなしにやったん!?》
《日本で上映するのなら、予告の時点で津波に関する注意喚起はするべきだった。あまりにも津波だったから》

 と厳しい声が寄せられていた。

 またSNSでは他に、吐瀉物まで映るリアルな嘔吐描写、喘息、奇形生物、赤ちゃんの大きな泣き声、男性の怒鳴り声があるため、苦手な人は注意が必要だと忠告する投稿も。

「どこまでを“トラウマを呼び起こす可能性があるもの”と定義し、事前に警告するのか。その判断は難しいです。しかし、地震大国とも呼ばれる日本では、東日本大震災や阪神淡路大震災をはじめ、大規模災害の記憶が社会全体に深く残っています。

 そのため、少なくとも地震やそれに伴う津波などの自然災害を描く場合は、細心の注意を払うべきです」(前出、映画ライター)

 今後は、トロント国際映画祭や釜山国際映画祭、シッチェス・カタロニア国際映画祭でも公式上映が予定されている映画『8番出口』。リアルさが高評価を受けている理由の一つでもあるが、配慮が少し足りなかったようだ。