厳しい現実にもかかわらず、日本人のiPhone人気は根強く、中古端末や下取りサービス、分割払いを活用してでも最新モデルを手に入れようとする人が多い。
若年層にとってはステータスの意味合いも強いため「高くてもiPhoneを選ぶ」という傾向が続いているが、ここまで日本人からの支持を集める理由はどこにあるのだろうか。
ITジャーナリストとしても活動する、情報経営イノベーション専門職大学の松村太郎教授に話を聞くと、
「実質的な負担軽減の方法が充実してきた点が挙げられます。日本では、携帯の購入は分割払いが一般化しており、実際の負担は月々数千円に分散され、値上げの実感は薄まっています。そして、Appleの戦略もあって、iPhoneはほかのスマートフォンと比較し、下取り価格が比較的高い水準で安定しており、機種変更の際に売却することで、新モデル購入の負担を和らげることが可能となっています。
くわえて、若者に限らず、スマートフォンは生活インフラとなっています。その中でもiPhoneはセキュリティやプライバシー保護に優れ、シンプルで使いやすいので、価格の高さも安心感を与える価値として認められているのではないでしょうか」
円安が続く限り、日本での価格が下がる可能性は低い。それでも、しばらくはiPhoneの牙城が崩れることはなさそうだ。