「作り笑いをする心情には、(1)本当の感情を隠している(2)相手に安心感や親近感を与えようとしている(3)その場の雰囲気を壊したくない(4)自分の焦り感情を整理するための時間稼ぎ、の4つがあります。そして、作り笑いをする場面は、(1)本当の感情を隠すため(2)見せたい自分を演出するため、の2つに大別されます」
と話すのは、公認心理師でありカウンセリングルームの室長を務める竹内成彦さん。
「高市氏は、『日本を立て直すために、何としてでも総理になろう!』という気持ちで燃えに燃えているのだと思います。そういう強い決意と覚悟の気持ちを隠すために、あえて柔和な笑顔を作り続けているのだと思います」
作り笑いに隠された「高市の気持ち」
竹内さん自身、実際にTVで高市氏を見ていて思った事があるという。
「先日、『報道ステーション』を見ていたのですが、大越キャスターから、『なぜ自民党は嫌われたのか?』と聞かれた高市氏は、案の定、作り笑いを浮かべながら、無難に質問に答えました。高市氏は、本当は、石破首相を非難したかったのでしょう。しかし、それを表に出せば、前回石破氏に投じた議員票が、自身に流れてこない恐れが生じます。だから高市氏は、自分の本音を隠し、あえて、政権運営の課題全般に言及するような、当たり障りのない答えを選んだのだと思います。高市さんの作り笑いやジェスチャーから、高市さんの『怖い人だと思われたくない。穏健な人だと思われたい。自分は穏健保守なんだ』というメッセージを、伝えたい気持ちが、伝わってきました」
表情ひとつとっても、そこには政治家としての計算や葛藤が垣間見える。笑顔の裏にある“本音”を、有権者はどう評価するのか――。
竹内成彦 1960年生まれ、愛知県名古屋市で生まれ育つ。日本カウンセリング学会の國分康孝先生、および、日本カウンセラー協会の多々良省三先生に師事し、1997年地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。主な著書に、「上手に『自分の気持ち』を出す方法」などがある