水上の意外な“執着”
役と真摯に向き合う姿が印象的な水上。その一方で、おちゃめな一面ものぞかせる。
「非科学的な事象をありえないと否定する雄司の気持ちもわからなくはないですが、僕だったら最初から面白がります。夕里子に対する守り方もちょっと違うかも。“別の場所に逃げよう”とか、“北斗とは連絡をとるな”とか言うと思います」
本作では今いる現実と別の現実、2つの世界線が交錯する怒涛の展開が見どころだ。そこで、もし他の世界線があったら進んでみたい道を聞いてみた。
「やっぱり野球の道ですよね。高校1年生の時点で、プロにはなれないなと思いました。それでも、大学受験は野球ありきで選んだので、今頃どこかの社会人野球に入れているのか、選手をサポートするスタッフをしていた世界線もあったりするのかなとは思います。体力的に、もうプレーするのは厳しいですけど、野球は今でも好きですね。
今、身体を動かすのは、役作りで必要なときにジムに行くくらい。実は運動はもうあまり好きじゃないです(笑)」
また、映画のテーマでもある“執着”について尋ねると、意外な答えが返ってきた。
「僕、掃除とか料理とか家事が好きなんです。忙しくてなかなか自炊はできていませんが、サラダうどんが得意でよく作ります。中でも、一番得意な家事が洗濯なんですけど、角ハンガーをいかにシンメトリーに干すかに執着しています(笑)。まるで競技や作品みたいに、うまくいかなかったなというときもあれば、うまくいったなと干された洗濯物を見て浸っているときもあります。これは執着といえるようなこだわりかもしれないです」

映画『火喰鳥を、喰う』
10/3(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:KADOKAWA、ギャガ
撮影/渡邉智裕 スタイリスト/カワサキ タカフミ ヘアメイク/Kohey(HAKU)