演技を学び、ものまねに深みが
今年2月、変形性膝関節症のため、両ひざに人工関節を入れる手術(人工膝関節置換術)を受けた。ロボット五木ひろしをはじめ、奇想天外なものまねをやり続けてきたことで、ひざの軟骨が損傷。数年前から痛みに悩まされていたと打ち明ける。
「手術をしたら、80歳まではロボットができると聞いて決断しました。僕は死ぬまでものまねをしていたいから」
3か月間の入院生活で、体重は15キロ減った。現在、体調は回復しつつあるが、移動時は杖をついて歩くことも。文字どおり、身を削って、客を笑わせ続けてきた。
「まだ痛みはありますが、お客さんが待っているので泣き言は言えません。それに、入院生活のおかげで、身体の状態は人生で一番クリーン(笑)。準備万全です」
そう語るように、東京・明治座に続き、大阪・新歌舞伎座で『大逆転!戦国武将誉賑(せんごくカーニバル)』を。来年1月10日からは同じく明治座で『松平健×コロッケ45周年特別公演』を行う。2022年に『ものまねグランプリ』(日本テレビ系)から卒業し、テレビでコロッケさんのものまねを見る機会は減ったかもしれない。だが、現在は舞台を中心に、“生”でしか見ることができないコロッケワールドを開放している。
違うジャンルから学ぶことの大切さ
「僕が、お芝居の世界に飛び込んだのは、2009年の初座長公演『仙台四郎』が始まり。彼は知的障害のある、独特の感覚を持つ人でもあった。セリフに頼らずに、動きやたたずまい、視線で感情や内面を表現しなければいけなかったから、ものすごく苦労した反面、この経験がものまねにも好影響をもたらした。違うジャンルから学ぶことの大切さを再認識しましたね」
コロッケさん自身、常にアンテナを高く張るようにしている。代名詞の一つ、ロボットの動きにも、実は創意工夫が隠されている。
「ロボットの動きって時代によって変化しているでしょ? 僕が初めてロボットの動きを取り入れたときは、カクカクとした直線的な動きでした。しばらくすると、映画などで描かれるCGのロボットの動き─A地点からB地点へ移動する間に、わずかな“揺らぎ”があるのが特徴で、ちょっと揺れるようにアレンジしました。
そして、今は人が作ったアンドロイドの動きを取り入れています。人間らしく見せるために、静止しているときでも常に微妙に動き続けているのが特徴」











