取材中、コロッケさんは何度も即席でものまねを披露する。そのたびに、周囲から笑いと驚きが起こる。面白いだけでなく、感嘆の声が漏れてしまうあたりが“ものまねレジェンド”たるゆえんだろう。
「最初はウケなかったネタでも、やり続けることが大事。僕が最初にGACKTさんのものまねをしたときも、『えっ?』って反応だったんだから(笑)。でも、やり続けながら、アップデートさせていけば笑ってくれるようになる。ものまねをしている若い子たちにも、よく伝えていることです」
自分中心の芸人が増えたと感じる
コロッケさんがやり続けていること。その一つに、ボランティア活動がある。「きっかけは東日本大震災」と語るように、被災地を回り続けた。避難所で出会った女性から、「久しく笑っていないからものまねをやって」と告げられ、ものまねを披露すると、あっという間に黒山の人だかりができた。
不安に押しつぶされそうな人を笑顔にする。その雰囲気は、当事者たちにしかわからないものがあるはずだ。コロッケさんは、どんな気持ちで臨んでいるのだろう?
「“相手が1番、自分が2番”という気持ちです。現場を知る責任者の方に状況を詳しく聞いて、自分本位で行動しない。ものまねをするときも、いきなりネタをするのではなく、世間話など会話をしながら場の空気を柔らかくしていくことも心がけています。そして、『また来るからね』と約束をしています。その場限りにしたくないんです」
その言葉どおり、何度も通い、今では仕事の合間を縫って、さまざまな場所でボランティアをするように。交渉を重ねて、小児病棟でショーをしたこともあった。
「子どもだから、人物のものまねをしても難しいですよね。だから、『ニワトリって、人間に“近寄んないで、近寄んないで”って感じで首を動かしているんだよ』って伝えて、ニワトリのものまねをしました。そうしたら子どもたちもまねし始めて、病棟がニワトリだらけになっちゃった(笑)」











