声優としても実績を重ねた松村。最近では売れっ子となり、オファーが続々と舞い込んでいるようだが、彼の魅力はどんなところにあるのか。同志社女子大学メディア創造学科教授であり、コラムニストの影山貴彦氏は、作り手としての見地から“松村と仕事をしたい”と力説する。
「彼の繊細で、凛々しい芝居に引き寄せられるんです。作り手の意図をしっかり受け止めて、それに応えてくれる柔軟性を持っているんですよ」
映画評論家で映画パーソナリティーの伊藤さとり氏は、松村が魅せる“画”に注目しているという。
いちばん難しいのが普通っぽい役
「画に力があると、それに負けてしまう俳優さんもいらっしゃいます。『秒速5センチメートル』では画に雰囲気があり、美しい。独特の世界観で綴られているんです。彼は目立ちすぎず、引っ込みすぎず、見事なまでに画にはまっていました」
日本の映画では、日常を描くことが多いというが、
「実は、クセのある役ってやりやすかったりするんですよ。対して、いちばん難しいのが普通っぽい役なんです。松村さんはそんな役を演じられる方だと思います」(伊藤氏)
過去のインタビューでは、
《決して芝居が上手いわけでも、センスがあるわけでもない》(『婦人公論』2021年10月26日号)
と、語っていた松村。今後はクセのある役も見てみたい気はするけれど─。










