お金の増やし方・働き方部門
働き方や年金、お金の増やし方など、長期的に見たお得ワザを西原さんに教えてもらった。
病気の備えは?[貯金vs保険]
「日本の公的医療保険制度はとても優秀。高額療養費制度などにより、大病をしても自己負担をかなり抑えられます。“病気にならなければ払い損”になる保険をたくさんかけるより、何にでも使える貯金で備えては?」(西原さん、以下同)
生活費の6か月分を「緊急用のお金」としてキープしておけば、ほとんどの病気の医療費と療養中の収入ダウンに備えられる。ただ、病気の後遺症などが長期にわたる場合は、少々不安。
「その場合は、働けなくなったときの収入源を補う収入保障保険に加入しておく手もありますね」
これからの住まいは?[購入vs賃貸]
家を買えば、ローン完済後は住居費がタダになるから老後は安心……というイメージがある。
「実際には、その後も固定資産税、リフォーム費用、マンションなら管理費や修繕積立金がかかりますから安心できません。場所によっては物件価格が高騰していますし、ローン金利も上昇傾向なので、特にここ数年は、無理なローンを組んで買わないほうが安全です」
さらに、老後を見据えると、転居のしやすさで賃貸がおすすめだそう。
「子どもの独立、親や自分たち自身の介護など、老後は引っ越しを検討する場面が意外と多く、身軽であることはメリットに」
50代以降に働くなら[扶養内vs厚生年金加入]
多くの勤め先で、「年収106万円の壁」を越えて働くと、厚生年金保険に加入し、社会保険料が給料から引かれることになる。一方、会社員の夫の扶養に入ったままなら年金保険料や健康保険料を払わずに済む。
「短期的に見れば、扶養内のほうがお得です。ただ、妻の将来の年金は老齢基礎年金のみになります」
その場合の妻の年金額は月約6万9000円。しかも、今後は下がる可能性が高い。「年金を少しでも増やしたいなら、厚生年金保険に加入して働きましょう。保険料で目減りする分をカバーする、年収124万円以上をめざすといいですね」
子どもの大学授業料[奨学金vs教育ローン]
子どもが大学に進学すると、私立文系の場合は授業料などで毎年約100万円がかかる(文科省調査より)。
「最近は、返済不要の奨学金や、収入の少ない家庭や多子世帯への支援が充実しています。まずはそちらの活用を優先しましょう」
給付型が利用できない場合は、JASSO(旧日本育英会)の貸与型奨学金か低金利の「国の教育ローン」(日本政策金融公庫)を検討することも。
「奨学金(貸与型)は子ども自身が卒業後に返済するのに対して、教育ローンは親が返済義務を負うもの。老後を考えると、子ども本人が返済する奨学金から利用したいところ。それぐらい意欲的に学んでほしいという望みを託しては」











