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ー 高須克弥院長は「宣戦布告だな」
高市早苗総理大臣、就任後初の会見(2025年10月21日)

 中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事がXに投稿した内容が、国内外で波紋を呼び続けている。

 朝日新聞デジタルが報じた『高市首相、台湾有事「存立危機事態になりうる」認定なら武力行使も』という記事を引用し、《勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか》と投稿。

高須克弥院長は「宣戦布告だな」

 該当ポストは翌日には削除されたものの、各国の関係者からも批判が相次ぐことに。台湾の国家安全会議のJoseph Wu秘書長は10日、Xを更新。

《日本に駐在する中国の外交官が日本に対して発した恐喝的な言論は、すでに外交官としての一線を著しく越え、現代の文明社会において到底容認できるものではありません。私はこれを強く非難するとともに、こうした劣悪な行為を嫌悪します》

 と、猛批判。公明党の伊佐進一前衆院議員も自身のXで、

《本件、公明党で日中関係に携わってきた者としても、強く抗議申し上げます。日中に意見の相違があれど、激しいつばぜり合いを重ねながら、それぞれの国益のためにギリギリの決着点を探る。これが、私も北京で体験してきたリアリズムの外交でした。でも、これは単なる誹謗中傷です。様々な感情があれど、相手国への敬意がないと話ができません。薛剣さんとは長い付き合いですが、公明党関係者として言わせて頂きます》

 と苦言を呈している。一方で11日、中国外務省の林剣副報道局長は記者会見で、高市氏の答弁について日本側に厳正な申し入れをして抗議したことを報告。

 さらに中国外務省は「(薛剣氏の)個人発言は台湾を中国領土から分離し、武力による台湾海峡への介入を扇動する、誤った危険な言論に向けられたものであり、一部の日本の政治家やメディアがこれを意図的にあおり、世論を混乱させ焦点をそらそうとしているのは無責任である」

 と、薛剣氏を擁護する姿勢を見せた。これを受け、著名人からさらなる批判が上がることに。

 高須克弥院長は『47NEWS』の記事を引用する形で、

《宣戦布告だな》

 と、強い怒りを滲ませた。現在は政治評論家として活動する橋下徹氏も、

《あれだけ中国に勇ましい高市自民維新政権でも、この事例ですらペルソナノングラータ(ラテン語で好ましからざる人物を意味する外交用語)の発動をやらないのか。また発動しないことに保守派は批判しないのか。誰が首相になってもこれが現実》

 と、薛剣氏に対して国外退去処分を命じない高市政権にも疑問を投げかけている。

 10月31日、一時は開催が危ぶまれた高市早苗首相と中国の習近平国家主席による日中首脳会談が、アジア太平洋経済協力会議首脳会議に合わせて実現したばかり。

 日中関係の改善が期待されていたものの、薛剣氏の投稿をきっかけに再び緊張感が走る結果になっている。高市首相はこの局面をどう乗り越えるのかーー。