再始動にあたり、まず最初に考えたことは?
「“氷川きよし”の大切さです。氷川きよしとしてつくり上げてきたものが大きいし、歴史があるから。生涯やり続けないといけないと思いました。みんながつくってくれた氷川きよしだから、そこは全うしないといけない。
でも自分のことを大切にしたときに、自分の“好き”を集めたKIINA.というキャラクターも大切にしたい。だから、両方をやることにしようと思って。どちらかに統一することはできなかった」
「もうドレスを着たいとも思っていない」
氷川きよし+KIINA.という名義を打ち出した。そして'00年のデビュー以来、所属してきた事務所から独立。'24年4月に株式会社KIIZNA(キズナ)を設立している。
「自分のやることは自分できちんとやる。こぢんまりでいい。自分が信頼している人とやっていけたら十分だと思って」
'24年8月、東京・有明でのライブで歌手活動を再開。休養直前の氷川はフェミニンな世界観を好み、作品やステージにもそれが投影されていた。ひょっとしたら復帰後の氷川は演歌を歌わなくなるのでは? そんな心配を勝手にしていたが、完全に杞憂だった。
「全然そんな気がなくなっちゃった(笑)。もうドレスを着たいとも思っていないし、髪も短くしたし。そこにこだわらなくなりましたね。多分、もし休んでいなかったら、あれを続けていたかもしれない。変な欲がなくなって、もう菩薩のような境地で(笑)」
その変化は、海外でいろんな価値観を吸収したからだと話す。
「“女だからこうしなきゃいけない”“男だからこうしなきゃいけない”っていう型にハマることはない。表現において、休養前は実験していたんだと思います。でも、海外で過ごしたことで“人間なんだ”ということを自覚して。だから、まず人間性を磨いていこうと思いました。
公私共に、誰に対しても尊敬の気持ちを持って、振る舞う。そこがすごく大事なんだなと改めて気づきました。でも少し時間がたったら、またドレスを着て、そういう世界観の曲を歌っているかもしれないけどね(笑)。それはわからない。ただ、ちゃんと自分の世界をこれからつくっていきたいなと思っていますね」
復帰後の活躍は、とても華やか! 1月からは全国ツアーを展開。4月には『ゲゲゲの鬼太郎 私の愛した歴代ゲゲゲ』のエンディングテーマ『Party of Monsters』を氷川きよし with t.komuro名義でリリース。
5月には『赤いスイートピー』(松田聖子)をデジタル配信。9月には『白睡蓮』をリリース。今までは出ていなかった番組に積極的に出演するなど、デビュー25周年を鮮やかに彩っている。











