「撮影当時はこんなにセリフ量が多い作品にはこの先もう出合うことはないだろうと思うくらいでした。でも、『金髪』はお芝居に集中できる環境下で、すごく楽しい現場でしたよ!」
中学生時代は「若干内気な部分があった」
そう語るのは、11月21日公開の映画『金髪』で主演を務める岩田剛典。大人になりきれないイタい中学校教師・市川を演じる。
「散々“教師役”と言っていますが、実は先生らしいシーンないですからね(笑)。どこにでもいる面倒くさがり屋な若者です。でも、それが共感の対象になるというか。映画全編を通して、視聴者の目線で心の声を代弁してくれている存在です」
普段のスマートな岩田の印象とは真逆の役だが、意外にも素の自分に近いという。
「正直言って、役にはすんなり入れました。市川は心の声が多いのですが、僕にも心の声みたいなものはあります。本音と建前は、生きていくうえで必要なスキルでもあるから。市川は、そこが人間っぽくて、自分にも少なからずそういう部分があるなと共感できました」
そんな市川の担任クラスの生徒十数人が、校則への抗議として金髪に染めて登校するという“金髪デモ”から始まる。デモの発起人・板緑(白鳥玉季)と繰り広げる会話劇も見どころだ。
「自堕落な社会人に正論をぶつけてくる中学生の構図なので、それだけで面白いです。市川は言い返すのですが、言いたいことがあまりまとまっていないという(笑)。論破することもされることもなく、中途半端に終わるのが逆に面白くて、監督のコメディーセンスが光っています」
会話劇の裏にはこんな苦労も。
「二人ともセリフがとにかく大変で。どんなにセリフを頭に叩き込んでいても、早口なので、お互い“噛んだらごめんね”と言いながらバトンをつなぐ感じでしたね。聞いていると自然な会話ですが、人の話を聞いていない者同士の間の詰め方なので、その難しさはありました」
岩田は今回が初めての教師役。次に挑戦してみたい役を聞くと、
「またセリフが大変そうですが、詐欺師とかもやってみたいです。セリフ覚えは特別良いというわけではないので、本当に毎回“この仕事で引退する!”と思いながら死ぬ気で覚えています」
中学校が舞台の本作。自身はどのような中学生だったのだろうか。
「中学で、愛知県から上京しました。最初はやっぱり不安でしたね。東京の人、怖く見えるし(笑)。でも、男子校だったのですぐに打ち解けられました。ただ、今と比べると、あまり社交的ではなく、若干内気な部分があったと思います」
















