p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 11.5px Helvetica} リスク分散させて株式投資も視野に

 さらに、金利だけで口座を選ばないように注意。細かなところで盲点もある。

「年金が主な収入になると、預け先の銀行のATMを利用する機会が増えます。もし金利の高さだけを基準に選んでしまうと、“近くにATMがなくて引き出しが不便”“振込手数料が高い”など、思わぬストレスになります」

 預金は安心だが、大きくは増やせず、昨今の物価上昇を考えれば投資も視野に入れてみてはと原田さん。

「個人向けの国債は元本割れリスクが極めて低く、発行1年後から中途換金も可能です。2025年10月現在、個人向け国債であれば、3年の固定型で年利は1・01%、10年の変動金利型ならば、初回金利は1・08%(共に税引き前)と低金利の預金より有利です。

 アメリカ国債の場合なら、10年債ならおよそ4%台です。購入したときの利回りが確保されるのが債券。定期預金の金利では満足できないというシニアには、おすすめできる商品だと思います」

 退職金を新NISAのつみたて投資枠で長期運用するのも遅くはないと話す。

「人生100年時代と考えれば、60代ならまだ先は長い。たとえ投資で暴落があっても、10年20年の単位なら回復できる可能性があります。それに、NISAの出口戦略では、“取り崩し方”が重要です。

 必要になったからといって一度にすべてを売却してしまうと、それで終わり。ですが、毎月や毎年、必要な金額分だけを売却していけば、残りは運用が続き、利益が出るため、資産を長く保てます」

 もちろん、投資である以上リスクは否定できないため、分散させることがおすすめ

「“卵を一つのカゴに盛らない”が投資の鉄則と考えて、株だけでなく、国債などの債券、定期預金など、金融商品を複合的に持ち、リスクヘッジして資産運用をするとよいでしょう」