30年で200種以上もの味が登場

 そして気になるのは「じゃがりこ」という名前。「社内公募で1000を超える候補の中から最終選考に残ったのが『じゃがりこ』と『じゃがりんこ』で、最終的に『じゃがりこ』に決まりました」

 名づけ親になった社員によると、友人である「りかこ」さんが試作品をとてもおいしそうに食べている姿を見て、ひらめいたのが「じゃがりこ」だったそう。りかこさんのその後が気になるところだが、彼女に関する記録はないという。

 だが、じゃがりこのキャラクターである「じゃがお」の奥さんの名前は「りかこ」で、その功績を残しているともいえる。

 このキャラクターや、「食べだしたらキリンがない」と、添えられているダジャレも気になるところだ。

「イメージキャラクター案の中にキリンがあり、それを見た当時の開発者が『食べだしたらキリンがない』と言ったのが、ダジャレの始まりです。なぜキリンか聞かれることが多かったこともあり、パッケージに掲載するようになりました」

 かくして「じゃがりこ」はダジャレに独特のデザインのバーコードなど、遊び心が詰まったパッケージデザインになったのである。

 多彩なフレーバーも、「じゃがりこ」の魅力だ。30年の歴史の中で登場したフレーバーは、なんと200種類以上! しかし定番フレーバーはたったの4種類。

「『サラダ』『チーズ』に続き、2005年に『じゃがバター』が、2010年に『たらこバター』が定番として加わりました」

 特に、ニンジンとパセリを練り込んだポテトサラダをイメージした「サラダ」味は、30年前から一度もレシピを変更していない“黄金レシピ”だという。

 一方、定番になれなかった味も。

「ポテトチップスの王道フレーバーである『うすしお味』や『コンソメ』も、過去に発売していますが、定着しませんでした。形状や食感によって、人気のフレーバーが変わるのは社内でも発見でした」

 多彩な期間限定・地域限定フレーバーもファンの心をつかんでいる。2024年に「復刻してほしい味」をファン投票で決める「推しフレーバー総選挙」が開催されたが、そこで見事1位に輝いたのは、2014年発売の「アスパラベーコン味」だった。また、「九州しょうゆ味」は中国・四国・九州地方の定番商品として愛されているという。