佳子さまの曽祖母・香淳皇后
2000年6月16日、昭和天皇の后で、佳子さまの曽祖母にあたる、香淳皇后が97歳の高齢で逝去した。亡くなった当時の毎日新聞は、このように晩年の様子を綴っていた。
また、当時の朝日新聞の社説には《77年に腰を骨折してからは高齢による衰えが見られ、皇太后となってからは表に出ることはほとんどなくなった。介護を受けながら、ときに車椅子で庭を散策するだけの、長い静かな晩年だった》と記述されている。関係者によると、香淳皇后はこのように老人性の認知症を長く患っていたらしい。
《二十九日木曜日(略)文仁親王妃紀子第二王女出産につき、この日、天皇・皇后、文仁親王・同妃に鮮鯛代料を御贈進になる。この日誕生した内親王は、七夜に当たる翌年一月四日に佳子と命名される。命名の儀当日に、天皇・皇后、文仁親王・同妃紀子、佳子内親王に鮮鯛代料を御贈進になる。また、文仁親王妃入院・退院に際して、盛花を御贈進になる》
1994年12月29日、佳子さまが誕生した当日、香淳皇后実録ではこうした記述が見られるが、香淳皇后の喜ぶ姿や肉声などは紹介されておらず、どこか素っ気ない感じがする。これもまた、「高齢に伴う症状」のためかもしれない。
11月18日、宮内庁は佳子さまが新型コロナウイルスに感染したと発表したが、私はこのニュースに接し、ふと、病気の香淳皇后を思い出した。
宮内庁によると、佳子さまは11月16日夜に喉の痛みがあり、17日に検査を受けた際は陰性だったが、18日朝に38度台の発熱があり、再検査で感染が確認された。デフリンピックの結団式や開会式への出席に続き、佳子さまは16日には、東京都渋谷区で開かれた「第47回少年の主張全国大会」を視察していた。
今年6月にはブラジルを公式訪問するなど、1年を通じて佳子さまは公的な活動などで、とても忙しかった。佳子さまは今は若く、病気もあまり気にならないかもしれない。しかし、年を重ねるに従って、老いや病気の悩みと向き合うことになるだろう。
佳子さまもまた、生身の人間であるのだ。くれぐれも健康に留意し、来年も公的な活動などで元気に活躍する姿を、多くの国民に見せていただきたい。
<文/江森敬治>











