愛子さまの動物愛は進化している

 保護猫や保護犬を引き取り、命を尊ぶ姿勢を国民に示されてきたご一家。その一方で愛子さまもまた、動物に支えられて成長されてきたと前出のつげさんは話す。

愛子さまが幼いころ、雅子さまは適応障害でご体調が優れず、陛下も公務で多忙な日々を送られていました。心のどこかで寂しいお気持ちを抱えられていたのではないでしょうか。そんな愛子さまの寂しさを埋めてくれたのが由莉やみーをはじめとする動物たちで、心を許せる親友のような存在だったのだと思います
 
 そう印象づけたシーンがあるとつげさんは続ける。

「2009年5月、ご一家で御料牧場を訪れた際、愛子さまは愛犬の由莉ちゃんを大事そうに抱きかかえられていました。その3か月後、那須での静養のため、那須塩原駅に到着された際も、由莉ちゃんを抱きかかえられていて、かわいがられていることが伝わりました。翌年もご一家は那須で静養をされたのですが、那須塩原駅に由莉ちゃんの姿がなく……。

 お留守番かなと思いきや、ペットを新幹線に乗車させるには重量に制限があるようで。成長して重量をオーバーした由莉ちゃんは車で移動して、愛子さまと一緒に過ごせることになったようです

今は亡き、愛犬の由莉と愛猫みー(宮内庁提供写真)
今は亡き、愛犬の由莉と愛猫みー(宮内庁提供写真)
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 成長とともに愛子さまの動物愛は進化しているという。その過程を見守っているのが、公益財団法人アイメイト協会「アイメイト後援会」の鈴木節子会長だ。

「アイメイト協会は毎年、学習院のイベントに盲導犬について理解を広めるブースを出展しています。愛子さまは小学6年生のころから、コロナ禍を除いて毎年お越しになって、盲導犬との歩行を体験されています。初めは盲導犬やリタイア犬に“かわいい”とおっしゃっていて、犬に夢中といったご様子でした。

 しかし、次第に視覚障害のある、盲導犬の使用者に声をかけられたり、グッズをお買い上げいただいたり、協会の活動に関心をしめしてくださるようになって……。うれしいと同時に励みになっています」
 
 今年は馬事公苑で開催された「愛馬の日」というイベントに出席するなど、動物関連の公務に臨まれた。愛子さまの深いご関心に驚かされたと日本中央競馬会馬事公苑総務課の東山友和さんは振り返る。

愛子さまは自然体で親しみやすく、誠実さや優しさがにじみ出ていらっしゃいました。馬術競技の中でも障害馬術や馬場馬術の競技内容をご存じだったことや、パリオリンピックの総合馬術をご家族と一緒にテレビでご覧になられていたことからも、馬への関心の深さを感じました
 
 そのご姿勢は多くの人に感動や希望を届けている─―。

つげ のり子 西武文理大学非常勤講師。愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』など