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ー 視聴率は前回をわずかに上回っただけだが…

 

 12月13日、一番面白い女性芸人を決める大会『THE W』(日本テレビ系)が放送。決勝には予選を勝ち抜いた8組が進出し、トーナメント形式で熱戦が繰り広げられたが、審査員のコメントに話題が集まった。

視聴率は前回をわずかに上回っただけだが…

「今大会は、決勝審査員に霜降り明星の粗品さんが名を連ねたことで放送前から注目を集めていました。物怖じせず本音を語るタイプの粗品さんだけに、期待と不安が入り混じった声が寄せられていましたが、結果的に大会の話題性は例年以上に高まったといえます。粗品さんの講評は放送直後から賛否を呼びました」(芸能ジャーナリスト)

 粗品の発言が注目を集める一方で、じわじわと評価を高めていったのが、同じく審査員を務めた友近のコメントだったと語るのは放送作家だ。

「友近さんは、4番目に登場した紺野ぶるまさんのネタに対し、『こっちが面白いところを探そ探そって一生懸命になることなく、面白いものを提供してくださった』と評価。この一言に対し、視聴者からは“審査の本質を突いている”といった声が相次ぎました」

 X上では、《裏返せば、見る側が必死に面白いところ拾わないとダメなくらいつまらないってこと》《友近もシレッとヤバい発言してるんよな》《空気を変えたのは粗品だけど、いちばん切れ味鋭かったのは友近の“優しい正論”だった》といった反応が見られた。

 友近は2002年、ピン芸人日本一を決める『R-1ぐらんぷり2002』(フジテレビ系)でファイナルに進出し、一躍全国区となった人物だ。憑依型のキャラクターを得意とし、日常に潜む人物像をリアルに描写する芸風は、当時から高い評価を受けてきた。

審査員のコメントは基本的に肯定的になりがちですが、友近さんの言葉は、観る側が努力しなくても笑えるかどうかという“お笑い”の根本を言い得ていると思います。きつい表現ではないですが、芸としての完成度を厳しく問う講評でした。一方、粗品さんは審査員就任時に、『面白くないものは面白くないと言います』と事前に番組側に伝えていたとのこと。

 これまで視聴者から『あまり面白くない』という評価もあった『THE W』ですが、今回、大会のあり方を自ら問い直す姿勢が、結果として、注目度を押し上げる一因になったのは間違いないでしょう」(前出・芸能ジャーナリスト)

 視聴率は前大会をわずかに上回る6・7%だったが、“辛口審査”がSNSで盛り上がった今大会。次の大会は果たして――。