佳子さまのご配慮に感銘を受けているのは升井さんだけではない。滋賀県の工房「アトリエ トアーノ」でプロデューサーを務める高橋利典さんは、佳子さまが自社のイヤリングを着用された後、思わぬ反響があったと振り返る。
佳子さまに市全体が励まされている
「佳子さまには、草津市の市花である『あおばな』を広めたいという気持ちで制作したイヤリングを着用いただきました。その後、全国から注文が入り、ふるさと納税の申し込み件数が例年の5倍となったことに大変驚きました」
同工房の代表で作家の鵜飼明子さんは佳子さまへの思いをこう語る。
「地元のアクセサリーを選んでくださることは作り手としてうれしいです。あおばな農家の方もとても喜んでいますし、“滋賀に住んでいたのにあおばなを知らなかった”という方々から応援の声もいただきます。制作者だけでなく、市全体が励まされています」
着用されるアクセサリーが話題になる佳子さまだが、前出の霜鳥さんによると、服装からも佳子さまの思慮深さをくみとることができるという。
「一般的に“ザ・皇室ファッション”といえばテーラードジャケットにタイトスカートというスタイルを想像されるでしょう。しかし、佳子さまはご自身の骨格や似合う色をふまえて“脱・皇室ファッション”を模索されているのだと思います。また、一度着て終わりではなく、小物などを替えて着回しされるご姿勢も今のサステナブルな時流に合っており、人々が親近感を抱く要因ではないでしょうか」
多忙な中でも、服装の細部にまでこだわるご姿勢が人々に励ましを与えている─。
霜鳥まき子 スタイリスト・名刺服プロデューサー。JAL国際線CAを経てスタイリストに。個人・法人のブランディングや制服デザインなどを手がける。著書に『似合う服だけ着ていたい』(文藝春秋刊)など











