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ー 「当てても当て返されないので無責任になる」

 

 12月21日、来シーズンから『オイシックス』のチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)に就任する桑田真澄氏が、東京・稲城市のジャイアンツタウンスタジアムで行われた「第5回デジタル野球教室」でスペシャルコーチを務めた。そこで桑田氏が語った“持論”が、野球ファンの間で物議を醸している――。

「当てても当て返されないので無責任になる」

 今シーズン限りで、二軍監督を務めていた読売ジャイアンツを退団した桑田氏。退団発表の際は「一軍が優勝できなくて、“若手選手の育成ができていない”という評価だったので、これは責任を取らなきゃいけないということを伝えました。自分の中でケジメをつけたということです」とコメントしていたが、背景には別の事情もあったとされている。

「現在、一軍の指揮をとっているのは阿部慎之助監督。どうやら、阿部監督と桑田氏との間に“指導方法”をめぐる相違があったようです。阿部監督は、とにかく選手につきっきりで猛練習を課す“スパルタ”指導型。一方、桑田氏は自身が大怪我を負った経験からか、練習を無理強いせずに自主性を重んじて指導に当たっており、“選手のミスは指導者のミス”という現代的な考え方を持つ指導者でした。球団は育成方法を一新したかったのでしょうが、桑田氏の“怒らない”指導力は評価されていましたから、ファンからも“1軍の監督にすべき人なのに”“桑田を後釜に据えるべきだった”などの声が寄せられていました」(スポーツ紙記者、以下同)

イベントに出席した桑田真澄氏と、息子でモデルのMatt(2020年)
イベントに出席した桑田真澄氏と、息子でモデルのMatt(2020年)

 そんな“穏健派”のイメージがある桑田氏だが、前述の野球教室で語ったのは、驚きの内容だった。

「桑田氏が参加した教室には、中学生30人が参加。未来の甲子園球児の前で、桑田氏は高校野球で導入が議論されている7イニング制について、“野球は9回が面白いと思う。野球界が一つになれば、1か月間甲子園を貸してあげてもいいわけじゃないですか”と提言しました。野球界を思っての発言でしょうが、注目を集めたのは2027年シーズンからセ・リーグでも導入される“DH”こと指名打者制に関する持論でした。桑田氏は“DHも僕は反対。打席に立ってどれだけの気づきがあったか。当てても当て返されないので無責任になる”とコメント。まるで報復死球を認めるような口ぶりが波紋を呼んでいます」

 世間からは「当て返すのが公平?」「いやいやいや、そもそも当てるなよ」「いまだに報復死球とかやってんのか」「いい加減、狙って当てるのやめろよ」など、桑田氏の発言に対して批判的な意見が寄せられている。

 野球教室で、子どもたちに「失敗を恐れずに挑戦してほしい」とも訴えた桑田氏。チャレンジ精神は大事だろうが、攻め過ぎは禁物!?