昨年、秋篠宮ご一家は「戦後80年 戦争と子どもたち」展へ

「戦後80年 戦争と子どもたち」展を見学する秋篠宮ご一家(2025年12月26日)
「戦後80年 戦争と子どもたち」展を見学する秋篠宮ご一家(2025年12月26日)
【写真】学生時代の佳子さま、割れた腹筋が見える衣装でダンスを踊ることも

「戦争の時代の子どもについて考えるきっかけになりました」

 昨年は、戦後80年の大きな節目の年だった。佳子さまをはじめ秋篠宮ご一家は、昨年暮れも押し迫った12月26日、東京都板橋区赤塚にある板橋区立美術館を訪れ、「戦後80年 戦争と子どもたち」展を鑑賞した。

 戦時中から戦争直後に制作された絵画や彫刻など約120点が展示され、ご一家は約1時間かけて見て回った。そして、佳子さまは前述したように語り、悠仁さまは、「画家が自分の伝えたい思いを強調しているのが絵画ではないでしょうか」などと、感想を述べたと報道された。

 私は翌27日、寒空の中、板橋区立美術館に足を運び、この展覧会を見学した。買い求めたカタログの中に、

《戦争の影響は、美術家たちが表現した子どもたちの姿にも明確に表れています。(略)うつむき加減で緊張した面持ちの子どもたちなど、戦争による先の見えない不安を反映させた作品も発表されるようになりました。(略)「子どもたちをめぐる美術」を時代背景と重ね合わせながら読み解くことで、美術家たちが子どもたちの姿をどのように捉え、作品に反映させていたのかを検証していきます》

 などと、主催者が展覧会を企画した趣旨などが説明されている。

 開館後すぐだったが、5、6人の来場者たちが熱心に作品を見ていた。松本竣介の「りんご」、青柳喜兵衛「天翔ける神々」、小杉放菴「金太郎遊行」などが、私の印象に残っている。

 特に、宮本三郎の「マライの娘」に引きつけられた。解説によると、マライとは現在のマレーシアなどのことで、ここも戦争中、旧日本軍が進出した。現地で見かけた2人の少女の姿を、宮本が描いた作品なのだが《硬く口を閉ざし、遠くをじっと見つめた少女たちの視線は警戒心に満ちており》(同展カタログより)、明らかに日本の兵隊や日本人たちを歓迎していない様子がひしひしと伝わってくる。中国や東南アジアの子どもたちを題材にした作品もあり、深く考えさせられた。

《昨年は、戦後80年という節目に当たり、先の大戦を思い起こし、戦中・戦後に人々が耐え忍んだ苦難と、人々のたゆみない努力により築き上げられた今日の我が国の平和の尊さに改めて思いを致すとともに、これまでの歩みを今後とも語り継いでいくことの大切さを心に刻みました。一方で、現在も戦争や紛争により、世界各地で多くの人々の命が失われていることに深く心が痛みます。平和な世界を築いていくために、人々が対話を重ねながらお互いの理解に努め、協力していくことの大切さを感じます》

 これは新年に当たっての天皇陛下の「ご感想」の一部だが、このように陛下は、平和がいかに尊いものか、さまざまな機会で言及している。また、昨年秋の還暦を前にした記者会見で秋篠宮さまも、平和の大切さについて、こう語っている。

「今年は80年ですけれども、81年であっても、82年であっても、折々に思い起こして、過去に学びながら、二度と同じことを繰り返してはいけないということを、一人ひとりが確認することが大事なのではないか」

 日本だけでなく、世界中の人たちが仲良く暮らし、平和な世界を築くことは皇室全体の強い願いである。今年もまた、佳子さまたちは平和への努力を重ねていくことであろう。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に2025年4月刊行の『悠仁さま』(講談社)や『秋篠宮』(小学館)など