「コロナ禍以降は就職する気になれなかった」

 段ボール箱には、カセットコンロ用のガスボンベや着火剤、ネジなどが詰められていたという。アパートは約10平方メートルが焼けた。

「室内でトイレットペーパーに火をつけ煙を吸い込んで自殺を試み、息苦しさに耐えきれず廊下に出たそうです。“住むところがなくなって終わりだと思った。自分も死んでもいいと思った。目に入った2人を刺した”と述べています。以前はIT企業で働いていたようですが、退職後は貯金を取り崩してしのぎ、生活保護を受けるに至りました。スキマバイトを始めると生活保護は打ち切られ、家賃を催促されても無視したり、開き直ったり。“コロナ禍以降は就職する気になれなかった”そうです」(前出の記者)

 同じアパートの女性住人は「部屋の中まで焦げた臭いや煙が入ってきて、どこが火事かと思ったらここ。“避難したほうがいい”と言われて逃げました」と振り返る。

 近隣住民によると、騒音やゴミ出しマナーなどのトラブルはなく、あまり外出せずに静かに生活していたようだ。

「“こんにちは”程度ですけど、日中や夜間に何度かすれ違って挨拶しました。挨拶は返してくれましたが、おとなしい印象ですね。おしゃれでも不潔でもない小太りのおじさんで、夏はTシャツに長ズボン姿。冬は黒っぽいダウンかジャンパーを着ていました」(同じアパートの男性住人)

 スキマバイトは、履歴書や面接が不要で即日払いの案件が少なくない。容疑者は空いている時間はいくらでもあったはずで、スキマバイトにこだわる理由は見当たらない。

 現場周辺では「やり直せない滞納額ではない」「働けばいい」「甘ったれている」「夜逃げのほうがまだマシ」と憤りの声が聞かれた。なぜ、このような凶行に走ってしまったのだろうか─。