世界的に影響力のある大谷が社会貢献につながる絵本を出すことは、どんな意義や価値があるのか。
出版文化において画期的
『大谷翔平はなぜ、壁を越えられるのか?』(光文社)などの著書がある作家・出版プロデューサーの西沢泰生さんに聞いた。
「花巻東高校時代に東日本大震災を経験している大谷選手は“自分の活躍で社会に何か貢献したい”という思いが強い。2025年11月に、子どもや動物への福祉をテーマにした『大谷翔平ファミリー財団』を設立しており、今回の絵本も財団のテーマのひとつである“動物福祉”への貢献という意味で大きな意義があると思います」
大谷自身が著者となり、愛犬を描く絵本。これまでのアスリートの絵本とは一線を画すものだ。
「過去に出版されたプロ野球選手の絵本といえば、王貞治さんを描いたものなどが思い浮かびますが、内容は伝記物語でした。伝記以外では、イチローさんと愛犬の一弓を描いた『イチローとイッキュウ』(文芸社)がありますが、原作者はイチローさんではありません。
今回は大谷選手が共同著者として原作にかかわっており、これは世界的にも珍しい例。出版文化において、画期的な企画だと思います。この本の成功によって、活躍しているアスリートが子どもでも読むことができる本を出し、その収益を社会に還元する、というムーブメントが起こるかもしれません」(西沢さん、以下同)
野球だけでなく、人間性も愛されている大谷だからできることだという。
「大谷選手の“得意であり、大好きな野球”を純粋に究めようとしている姿は、見ているとワクワクしたり、パワーがもらえます。それに加えて超人的な活躍をしても、偉ぶることがありません。今回の絵本も、主人公は自分ではなくてデコピン。そういった自然な謙虚さも大谷選手の魅力です。
さらに、デコピンも今や大谷選手と並ぶ大スター。人気のデコピンが始球式のボールだけでなく、世界中に“愛”を届ける。その愛に応えて動物保護へ気持ちよく寄付する。そんな共感と賛同の輪が世界中に広がるのではないかと思います」
“絵本作家”となり、社会貢献活動をする。大谷が新たな才能の片鱗を見せた。

















